著者(監督):出口 汪
【概要】
〈①〉
入試現代文に必要な論理的思考力(論理と文脈読解)を養成する。なんとなく感覚で解いているとどつかれるので。評論(言語論チック)×3+小説(芥川)+随筆(堀辰雄)のチョイスが良い。ゼヒ②③も読みたい。
〈②〉
私大の問題が多い。簡単なのと難しいのとの差が激しい。小林秀雄と芥川にはしてやられた。眼光紙背に徹する、ではないが虚心坦懐に文章を読めるようになりたい。そんでもって③で見返してやりたい。
〈③〉
できたりできなかったりだ。論理や文脈をとらえる力は確実に向上したような気がする。近代化に関する2文章を最後に持ってくるあたりに著者のニクい演出力を感じる。現代文の読解力は、大学受験以外でなくとも何らかの学術的探究には必要な能力であると信ずる。
【詳細】
本書は現代文を論理の教科と位置づけ、それゆえ、センス・感覚ではなく、一貫した論理的方法が必要だと断じた。
ということで、「論理」と「文脈」を二大テーマに据え、現代文の解答過程を実況していく。
<論理>
「結」「結」「結」
たった一つの「結論」の繰り返しなんですよ。
論理的な文章は、必ず、“同じことを何度も繰り返す”のだということを意識しながら、“さまざまなA’やA”をつねに大元の一つの主張や結論に重ね合わせて解釈する”ようにしなさい。
<文脈>
文章の中で言葉は、無数の糸で引っぱられているのです。引っ張られて意味が決まる。その働きが文脈の力というものなんです。
<文章を読む>
文章を読むとはどういうことかといったら、要は、服を剝がして肉を削り取り、骨格だけつかんでいくということなんです。<骨>の部分に線を引っぱっておけば非常に便利なんだ。
小説や随筆もそう。
客観的な証拠を全部拾っておきなさい。
「適当」や「感覚」、「雰囲気」で文章を読むことを排し、「根拠」「論理」を希求する。
評論のジャンルは言語論、文明論、文化論など。
引用される文章がつぶぞろいで、ゼヒ本文全体も読みたいところ。