【概要】
著者(監督):高野光太郎
「日本にはウォンバットに特化した書籍がない」☜それね( ˘ω˘ )
ので、本書が本邦初のウォンバット本みたいだ。著者の半生記兼ウォンバット本。かつて動物アレルギーだった著者。イマイチな英語力をひっさげ大学から海外に雄飛。少なくとも学術的に一番ウォンバットに詳しい日本人となっていた。まだ若いのでこれから(自分より若いのが衝撃)。
「新しいことに挑戦しながら、一心不乱に学ぶ毎日。不慣れな作業の連続に何度も心折れそうになりながらも刺激的な毎日を送っていたのです」と振り返られる大学・大学院生活。つかの間の一般企業勤めを経て研究生活へ舞い戻る。軽めの文体なので読みやすい。装丁が絵本風でかわゆいのう。被検体になった5ウォンバット(写真付き)もカワイイ。
「これはもう犯罪的な可愛さ」「ウォンバット沼にハマっていった」などとウォンバットの魅力や生態をウキウキと語る一方で、野生動物の置かれた過酷な現状(住処の減少、疥癬の急拡大、交通事故、猫の跳梁跋扈など)にも忘れず触れる。「そう、地球を守ることはウォンバットを守ることであり、僕らの未来を守っていくことに繋がっていくのである」。
【詳細】
<目次>
- 旅のはじめ フィールドワークから
- 第1章 さらば故郷。少年はオーストラリア大陸を目指す
- 第2章 留学生活は甘くない!?―タスマニア大学理学部動物学科、奮闘の日々
- 第3章 ウォンバットのうんちはなぜ、四角いのか?
- 第4章 驚き!オーストラリアの動物たち
- 第5章 野生を守る
<メモ>
- 日本のウォンバット飼育場所:五月山動物園、茶臼動物園
- ウォンバットのここがすごい!:「穴を掘る地球上最大の生物」
- コアラやタスマニアデビル、カモノハシなどのオーストラリアのどうぶつもチョコっと解説。
- こういった絶滅が危惧される動物への対応は、政府やらNPOやらの政治的な問題が関わってきて大変らしい。
- 野生動物との適切な距離感(猫への餌付けNG)は意識せんといかんなあ。
☟なんか雰囲気似てる。
☆ウォンバットといえばこれ!
*誤植
p.127 最終行…個体「に」よって
p.185…クラジミア⇒クラミジア