【概要】
著者(監督):佐々木ランディ
横浜生まれのランディが、あまり聞かない「水中考古学」について具体的なプロジェクトの話を織り交ぜながら解説する。装丁が高級感あり。
UNESCO推定では300万隻の沈没船があるらしく、貿易船がほとんどの模様。ローマ帝国の客船、元寇の軍船、タイタニック、開陽丸、エルトゥールル号、イ号潜水艦などの歴史ロマン的に面白そうなエピソードもある。左舷と右舷で寸法が違う船とか廃品回収船などの人間味の感じられるお話も。「沈没船はタイムカプセル」であり、状況によっては地上よりも遺跡保存に適した場合があるというのは意外であった。やはり残りやすいのは腐敗しにくいものであり、金属・陶磁器・ガラスなどがそれ。
実際の調査作業も臨場感たっぷりに活写されているが、けっこうハイテク。水中3Dマッピングとか、GPSとか、水中ロボットとか。だが、いくら道具がハイテクになっても「地元の漁協に仁義を切る」ことがスムーズな調査のためには一番重要みたい。
【詳細】
<目次>
- 1 水中考古学で解き明かす蒙古襲来の真実
- 2 さざ波のような人生で水中考古学の魅力に溺れる
- 3 世紀の大発見でたどる海底探査の歴史
- 4 瓦は語る 相島海底遺跡が伝える水中考古学の魅力
- 5 実録・海底遺跡の発掘調査 日本の海は世界に通ず
- 6 日本の水中遺跡冒険図鑑
- 7 世界の水中遺跡冒険図鑑
- 8 謎めくアジアの船 オリエンタルの魅力と歴史
<メモ>
ランディとは関係ないが、大規模調査といえばこれ。