【概要】
著者(監督):近藤史恵
たった二秒。一日、五時間から六時間、十五日間走り続けて、たった二秒のタイム差が運命を分ける。ツール・ド・フランスがどれほど過酷なレースか、それでわかるはずだ。
タイのホテルにて回収。ミステリ風味のあるスポーツ小説といった感じで、実は前作あり。
ツール・ド・フランスに挑む男たちの烙印スティグマータと物語イストワールを描く。「茄子 アンダルシアの夏」みたいな感じ。実は集団競技の自転車競技。主人公は縁の下の力持ち、アシストを務め、エースとチームの好成績に貢献する。最終的には、来季の契約もアシストとしての物語も美女もゲットする最高の夏になった。
ときおりモノローグ的に挿入される「走っているときは、頭の中が透明になるような気がする」などのチャリンコあるあるにはサイクリストは親近感を覚えるのでは。へっぽこサイクリストでもクライムのしんどさはわかる。その他、サイクリストたちのスーツケースの渡り鳥的な生態も描かれており興味深い。
サイクルロードレースには、そんな不思議な一面がある。スポーツでありながら、紳士的であることを要求されるような。
自分に刻まれた烙印を消し去るため、彼は新しい物語を描こうとした。
【詳細】
<メモ>
- チャリンコあるある:
「走っているときは、頭の中が透明になるような気がする」
「一番強く、回復が早いものが勝つ」
「まさに旅こそ、自転車選手の人生だ」
「グラン・ツールに出る選手は、体調不良も怪我も、走りながら治す」
「スプリンターは集団から抜け出したものが勝ち、クライマーは残ったものが勝つ」
- 南欧の夏の短さや宵っ張り文化にも触れられており興味深い。
- 転倒事故の下手人に裁きを( ˘ω˘ )
- まずはこれらを観るとよいのではなかろうか。