【概要】
著者(監督):モンテーニュ 訳:原二郎
ギリシャ・ローマ時代から1580年ごろの当時の旬のネタまで、古今東西、好き勝手に縦横無尽にしゃべくり倒す。吉田兼好的な物知りなひまおじさんにして引用おじさん。いつの世も人の考えることは大して変わらない模様。当時にしてはめずらしく相対的な考え方を持っていたと思われる。さすがに(6)まで読む気力はないか…。
【詳細】
<目次>
(1)
- 読者に
- 第一巻
- 第一章 人はいろいろな方法によって同じ結果に到達する
- 第二章 悲しみについて
- 第三章 われわれの感情はわれわれを越えてゆくこと
- 第四章 心は正しい目標を欠くと、偽りの目標にはけ口を向けること
- 第五章 包囲された軍の大将は談判のために城を出るべきか
- 第六章 講和のときは危険であること
- 第七章 われわれの行為は意図によって判断されること
- 第八章 無為について
- 第九章 噓つきについて
- 第十章 弁舌の遅速について
- 第十一章 予言について
- 第十二章 不屈について
- 第十三章 国王同士の会見の儀礼
- 第十四章 幸、不幸の味は大部分、われわれの考え方によること
- 第十五章 理由なく城を固守するために罰せられること
- 第十六章 臆病の処罰について
- 第十七章 ある使者たちの行為
- 第十八章 恐怖について
- 第十九章 われわれの幸福は死後でなければ判断してはならぬこと
- 第二十章 哲学をきわめるとは死ぬことを学ぶこと
- 第二十一章 想像力について
- 第二十二章 一方の得は他方の損になる
- 第二十三章 習慣について。また、既存の法律を容易に改めてはならないこと
- 第二十四章 同じ意図から違った結果が出ること
- 第二十五章 衒学について
- 第二十六章 子供の教育について
- 第二十七章 われわれの能力で真偽をはかるのは愚かである
- 第二十八章 友情について
- 第二十九章 エチエンヌ・ド・ラ・ボエシの二十九篇の詩
- 第三十章 節制について
- 第三十一章 食人種について
<メモ>
2章
「味わったり、消化したりできる情熱はすべて平凡なものでしかない」
「軽い悲しみは語り、深い悲しみは沈黙する」
4章
プルタルコス引用「事柄に怒ってはならぬ。事柄はわれわれがいくら怒っても意に介しない」
6章
ホラティウス引用「毎日次のように言える人は、おのれを支配して楽しく生きる人々だ。「私は生きた。たとえ明日はユピテルが暗い雲で空を蔽うとも、輝かしい太陽を与えようとも、どちらでもよい」と」
8章
「私には妄想や空想の怪物があまりにたくさんに次から次へと生まれて来るものだから、私は、これらの愚にもつかぬ奇妙さを、あとでゆっくり眺めようと思って記録することをはじめた。時が経てば、私の精神がそのことで自分自身を恥かしく思うだろうと期待しながら」
⇒自虐ネタ
9章
「嘘をつくことだけが、そしてそれよりは少し下だが、強情を張ることだけが、絶えずその発生と成長を撲滅せねばならぬ唯一の害悪である」
13章
「どんなつまらぬ材料でも、この寄せ集めの書物の中に入れるのに値しないものはない」
⇒自虐ネタ
14章
「われわれが不幸と呼ぶものがそれ自体そうではないこと、また、少なくともそのとおりのものだとしても、それに別の味と姿を与えるのはわれわれ次第だということ」
「静かな、心にかなった仕事を中断せずに続けられる人、そういう人は実に幸福である」
17章
ホラティウス引用「鈍重な牛は鞍にあこがれ、子馬は耕作をしたがる」
19章
「他人の生涯を判断するとき、私は常に、その最後がどんなであったかを見る。また、私の努力の主たる目的も、最後がよくあること、つまり、平和で静かであるということだ」
20章
「哲学をきわめるとは死ぬことを学ぶこと」
プロペルティウス引用「どんなに念入りに青銅に身を固めても、死はその鎧の中から頭を抜き取る」
ホラティウス引用「明けゆく毎日をおまえの最後の日と思え。そうすれば当てにしない日はおまえの儲けとなる」
「死は私が甘藍<キャベツ>でも植えているところ、しかも死のことに無関心でいるところに、そして菜園が未完成であることにも無関心でいるところにやってきてくれればいいと思う」
「人に死ぬことを教えることは生きることを教えることであろう」
「われわれの一生が長いとか短いとかいうのも、これを永遠に比べれば、あるいはさらに、山や、河や、星や、樹木や、ある種の動物の寿命に比べれば、やはり同じように滑稽なのである」
23章
「私は改革がどんな仮面をつけていようとこれを忌み嫌う」
24章
「他人の気心をつかむすぐれた方法は、進んで相手に身をゆだね、相手を信ずることである」
25章
「われわれは次のように言うことを知っている。「キケロがこう言った。これがプラトンの教えだ。これがアリストテレスの言葉だ」と。けれども、われわれ自身はいったいどう言うのか。われわれはどう判断するのか。われわれはどう行動するのか。あんなふうになら鸚鵡だって立派に言えるだろう」
「腹に食物をいっぱいに詰め込んでも、それが消化されなければ、自分の知となり肉とならなければ、自分の体力を増強しなければ、何になるか」
「分別がなければ、学問は何の役にも立たない」
26章
「書物から一歩も出ない知識は実にあわれむべき知識です」
「彼の頭に、あらゆるものを探求しようとする正しい好奇心を植えつけてください」
「彼の生徒の頭に、カルタゴの滅亡の年号よりも、ハンニバルやスキピオの性格を、また、マルケルスがどこで死んだかよりも、そこで死んだことがなぜ彼の義務にふさわしくないかを刻み込んでほしいのです。彼に史実を覚えさせるよりも、それを判断することを教えてほしいのです」
ペルシウス引用「おまえはこの世にいかなる役目を与えられたか。われわれは何か。また、何のために生まれたか」
ホラティウス引用「思い切って賢くなれ。すぐに取りかかれ。おこないを改めることに時を延ばす者は、急流の水が涸れるのを待って渡ろうとする田舎者と同じだ。河は相変らず流れ、そして永久に流れ続けるだろうから」
27章
「自惚れと好奇心とはわれわれの心の二つの災禍である。後者はわれわれをどこにで鼻を突っ込ませるし、前者はわれわれに何事をも未解決、未決定のままにしておくことを許さない。」
28章
「私の著作も実を言うと、いろんな部分を接ぎ合わせた、決まった形も秩序もない、脈絡も釣合いもでたらめな、グロテスクで怪物じみた全体でなくて何であろうか」
⇒自虐ネタかいな(*'ω'*)
30章
「私は節度のある、中庸な性格の人々を愛する」
「われわれはあらゆる努力を払っても、最も小さな小鳥の巣の構造や、美しさや、便利さを真似ることさえもできない」
他ものしりネタ。
「ある国では最も望ましい埋葬は犬に食われることであり、別の国では鳥に食われることである」
「今日、世界でもっとも強い国はトルコ人の国である」
「この器官はわれわれが必要としないときに、いやにうるさく出しゃばるくせに、もっとも必要なときに、実に工合悪く委縮する」
⇒下ネタかい(*'ω'*)
「かつて、私の中にも、この完全な友情の最中に、この移り気な恋愛の感情が宿ったことがある」
⇒ロマンスのかほり(*'ω'*)