2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
文明の生態史観 (中公文庫) [文庫]著者:梅棹忠夫評価:B+【粗評】日本が独立を回復して、アジアの工場と呼ばれていたころ、アジアの各地を探検・調査した著者。彼が提案した世界史モデルは、簡明かつ(当時にあっては)新鮮。60年前とは思えない鮮度を保っ…
抽象絵画への招待 (岩波新書) [新書]著者:大岡 信評価:C【粗評】カラーで15枚ほど抽象絵画が掲載されている。大原美術館所蔵のものもアリ。本書は、現代美術の「一愛好家の証言」であるとのこと。「造形的表現であると同時に、画家の世界観の表現でもある…
子どもの宇宙 (岩波新書) [新書]著者:河合隼雄評価:B【粗評】臨床心理学者の著者が、珠玉の児童文学を多数紹介してくれる。児童文学に描かれる「子どもの宇宙」を知ることは、「大人の宇宙」を知ることにもつながるとのこと。文学紹介の合間には時折、子ど…
顔の文化誌 (講談社学術文庫) [文庫]著者:村澤博人評価:B【粗評】膨大な資料を渉猟しながら、日本人の美意識の変化、化粧・装飾の変化をたどる。海外文化の流入や、髪型の変化に従って「美」の基準が移り変わっていくさまが面白い。眉剃り・お歯黒文化が滅…
知的生活の方法 (講談社現代新書) [新書]著者:渡部昇一評価:B【粗評】社会に出ても知的生活をなんとか守り続けている者たちに贈る、知的生活の参考書。知的空間の構築、時間の大切さを説く。タイトルから連想するような堅苦しさはなく、面白みのある文章。…
放浪記 (新潮文庫) [文庫]著者:林芙美子評価:C【粗評】生まれが極貧というめずらしいタイプの著者。約五年の日記。かなり読みづらいので100頁くらいで挫折した。「ヘエ、街はクリスマスでございますか」、「神様コンチクショウ」、「バクレツダンでも投げ…
潤一郎ラビリンス〈13〉官能小説集 (中公文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎 編:千葉俊二評価:B【粗評】『熱風に吹かれて』『捨てられる迄』『美男』を収録。女性の肢体や姿態の描写、女帝に蹂躙される男の心情など、初期の作ながら谷崎らしさにあふれる。いわ…
ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 [単行本]著者:立花隆評価:B【粗評】著者が、半生や仕事、読書について語る。ものを書くってのは大変なことなんだなあとしみじみ思う。推薦図書を挙げないあたりがカッコイイ。でも、さすがに何万…
尾崎豊 アイ・ラヴ・ユー―尾崎豊との激走345日 [単行本]著者:鬼頭明嗣評価:B【粗評】アイソトープ設立、綱渡りにつぐ綱渡りでどうにかこうにかやりとげた全国ツアー。そして突然の死―――。猜疑心の塊である尾崎にふりまわされつづけた一年。保護者役の著者…
伊勢物語 (岩波文庫) [文庫]校注:大津有一評価:B【粗評】むかし、をとこありけり。いたづらになったり、本意のごとくあったりする。げんきやなあ~(・ε・)懐かしの和歌がたくさん。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】
歴史とは何か (岩波新書) [新書]著者:E. H. Carr 訳:清水幾太郎評価:B+【粗評】同名の連続講演、待望の書籍化。訳者いわく、「歴史哲学」の書物。引用祭りの旅のなかで著者はいう。「歴史」は歴史家が選び、つくりあげたもので、その当時の情勢を反映して…
知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書) [新書]著者:田坂広志評価:C【粗評】我々が、真に「知性を磨く」ためには、二つのことが求められる。一つは、「答えの無い問い」を問う力を身につけること。もう一つは、「知識と知恵の錯覚」の…
量子力学の哲学――非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書) [新書]著者:森田邦久評価:B【粗評】「本書の目的は、量子力学が私たちに示す世界像についてこれまで提案されてきた様々な哲学的議論を解説することにある」。1、2章のミクロ世界の…
貨幣という謎―金(きん)と日銀券とビットコイン (NHK出版新書 435) [新書]著者:西部 忠評価:B【粗評】お金は「もの」なのか「こと」なのか。何なんすかね。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】
そこが知りたい!!自衛隊100科事典 [単行本]著者:歴史群像編集部評価:B【粗評】訓練や日常生活など、自衛隊のアレヤコレヤがわかる。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】
雪 (岩波文庫) [文庫] 著者:中谷宇吉郎【粗評】よもやま雪ばなしのあと、雪の研究のはなし。氷点下の中で行われる研究は、まさに努力の結晶。研究のことを、それなりに詳しく話してくれて、かつ分りやすい。それもそのはず、 読者は自然科学の研究というも…
大空のサムライ―かえらざる零戦隊 (光人社NF文庫) [文庫]著者:坂井三郎評価:A【粗評】面白い。愛機を操り、感覚を極限にまで研ぎ澄ませ、死生の境界に生きる。高空、高速で繰り広げられる命のやりとり。時間の感覚も、生死の境界も薄らいでいく。その中で…
科学者の自由な楽園 (岩波文庫) [文庫]著者:朝永振一郎 編:江沢 洋評価:B+【粗評】朝永&江沢のタッグマッチ。もはや定番。ノーベル賞授賞式欠席ネタも鉄板。朝永の随筆や講演、旅行記を収める。その筆致や語り口からは、公平で暖かで、しずかな人間のす…
愛のことば―岩波文庫から (岩波文庫 別冊-8) [文庫]著者:岩波文庫編集部評価:B【粗評】「岩波文庫の中から、愛をめぐるさまざまなことば二五〇句を選びだしました」。収録された句にユーロピアンなものが多いせいか、折にふれて謎ユーロピアンな風景の写真…
アニメ! リアルvs.ドリーム (岩波ジュニア新書) [新書]著者:岡田浩之、武井風太評価:B【粗評】マッドハウスに社長として出向してきた素人サンに、宣伝担当の社員が、アニメの歴史や制作過程、近況などを説明。アニメーターの給料も知りたいなあ~(・ε・)【…
ジーキル博士とハイド氏 (岩波文庫) [文庫]著者:R. L. Stevenson 訳:海保眞夫評価:B【粗評】エドワード・ハイドのみは、全人類の中でただひとり純粋な悪だからである。推理小説チックだが、掟破りのワイルドカード発動。本書を読んでコナン君を連想しない…
新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1) [文庫]著者:森見登美彦評価:B【粗評】『走れメロス』『山月記』などの名作を、大胆に脚色。表題作に至っては完全に別物と化している。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】