評価:B+
【粗評】
同名の連続講演、待望の書籍化。
訳者いわく、「歴史哲学」の書物。
引用祭りの旅のなかで著者はいう。
「歴史」は歴史家が選び、つくりあげたもので、その当時の情勢を反映している。
などなど。歴史の何たるかを問い直してみよう。
歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります。
歴史家たちの思想にしても、時間的および空間的な環境によって作り上げられているものです。
歴史家が、自分の目的にとって有意味な事実を涯しない事実の大海から選び出すのと全く同じように、彼は、歴史的に有意味な因果の連鎖を、いや、それだけを多数の原因結果の多くの連鎖の中から取り出すのです。そして、歴史的意味の規準とは、彼の考えている合理的な説明および解釈の型の中へ事実を嵌め込む彼の能力ということなのです。
過去四百年間における英語使用世界の歴史が歴史上の偉大な時期であったことは疑いを容れぬところです。けれども、これを世界史の中心として取扱い、他のものをすべてその周辺として取扱うというのは、歪んだ見方であります。
【学んだこと、生かしたいこと】
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