Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

斜陽

斜陽 (新潮文庫)
斜陽 (新潮文庫) [文庫]
著者:太宰治
評価:C

相変わらず読点が多いな修治。恒例の巻末解説(太宰治 人と文学)は非常にわかりやすい。
母、かず子、直治、上原の四者はそれぞれ、太宰の分身なのかもしれない。直治の遺書と太宰の思いがかぶったような気がした。
戦後の思想的混乱をわずかばかり感じられた。作中に出てきた「革命」とは何を表しているのか?

“他の生き物には絶対に無くて、人間だけにあるもの。それはね、ひめごと、というものよ”

“人間は、嘘をつく時には、必ず、まじめな顔をしているものである。この頃の、指導者たちの、あの、まじめさ。ぷ!”

“不良とは、優しさのことではないかしら”

“革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて教えていたのに違いないと思うようになったのだ。私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ”

“待つ。ああ、人間の生活には、喜んだり怒ったり悲しんだり憎んだり、いろいろの感情があるけれども、けれどもそれは人間の生活のほんの一パーセントを占めているだけの感情で、あとの九十九パーセントは、ただ待って暮しているのではないでしょうか。幸福の足音が、廊下に聞えるのを今か今かと胸のつぶれる思いで待って、からっぽ。ああ、人間の生活って、あんまりみじめ。生れてこない方がよかったとみんなが考えているこの現実。
そうして毎日、朝から晩まで、はかなく何かを待っている。みじめすぎます”

“戦闘、開始”

“いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です”