サム・ジーヴァ帝国図書館(Javaさんのお部屋)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

国際政治/恐怖と希望

国際政治 - 恐怖と希望 (中公新書)

【概要】
著者(監督):高坂正堯

冷戦真っ最中の1966年に「軍備と平和に関する考え方の原則」を明らかにしようと試みる。「国家間の関係はこの三つのレベル(力・利益・価値の体系)の関係がからみあった複雑な関係である」と前置きし、それぞれと平和の関係について考察する。

道は険しく地道だが、「希望することをやめてはならない」とのこと。50年経った今も核戦争は起こらず、局地戦も減った。少なくとも物理的には平和に近づいているが

囚人のジレンマに似た軍拡競争、経済開発の難しさ、たくさんある正義、国際連合というフォーラム、コミュニケーションの保持が緊張緩和に有効、などいろんな話をしてくれるよ。


【詳細】

<目次>

  • 序章 問題への視角(権力闘争の変質;国際政治の三つのレベル)
  • 第1章 軍備と平和(勢力均衡;軍備縮小;軍備規制と一方的段階的軍縮
  • 第2章 経済交流と平和(経済と権力政治;権力政治と経済交流の分離;エゴイズムと相互の利益)
  • 第3章 国際機構と平和(強制力の問題;世論の力;国際連合の意味)
  • 終章 平和国家と国際秩序(国際社会と国内体制;現実への対処)


<メモ>

軍備と平和に関する考え方の原則そのものを明らかにすることは、「状況」という逃げ道を取りはずすことであり、あらゆる「状況」において守らるべき自己の立場をはっきりと確認することになる。

 

国家は、力の体系であり利益の体系であると同時に、価値の体系でもある。われわれは自分の欲する行動をとって生活している。しかし、それが社会に混乱をもたらさす、多くの人とのつながりを保っていくことができるのは、そこに共通の行動様式と価値体系という目に見えない糸が、われわれを結びつけているからなのである。

 

たいせつなことは、「軍備なき平和」と「力による平和」のあいだには超えがたいジレンマが存在するということなのである。このジレンマゆえに、そのなかに置かれた人間は大きな知的苦悩にもかかわらず、平凡きわまる答しか見出すことができない。相手側の反応を見ながら、賢明に行動し、対立を和らげ、終極的には緊張の緩和に向かうとい
う態度が必要なのである。

 

各国を代表する人びとが一ヵ所に集まってつねに交渉を保っていることは、国家間の連絡を容易にする重要な機能を持っている。とくに総会の会期中には、各国の首相や外相がニューヨークに集まって、非公式に接触することが可能になる。

 

国連への期待。

残された道は、各国が自己の理念と利益を守りながら、その行動を通じて国際法を作り、国際連合の権威をたかめていくことでしかない。現在のように国際法の規制力が弱く、国際連合の権威に挑戦することが容易であるときには、ある国家は自国の国家目的を追求するに際して、法外な方法によって法外な利益をうることができるかもしれない。しかし、それは明らかに悪循環をおこす行為である。現在の政治家は、その国の国家目的を追求するにあたって悪循環をおこさないような選択をとること、できれば、よい循環をおこすような選択をとることを要請されているのである。それは、力と利益の考慮によって動く現実主義者にも要請されている最小限の道徳的要請なのである。

 

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