Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

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脱獄王 白鳥由栄の証言

脱獄王 白鳥由栄の証言 (幻冬舎アウトロー文庫 O 34-1)

【概要】
著者(監督):斎藤充功

出た、アウトロー文庫。

日本が誇る脱獄王・白鳥由栄、その脱獄するために生まれてきたような能力・人生を本人証言で描き出す。①青森②秋田②網走④札幌と、とにかく寒そうなとこにばっかりいる。「あまりにも簡単に本人が承知してくれた」ことに読者も驚くが、やはり本人インタビューを敢行しているのは大きい。

「記憶を呼び起こすため、私は、当時の新聞記事、地図、そして取材ノートを白鳥に見せ、記憶の欠落した部分を二人で埋めていった」光景にほのぼの。

土蔵荒らしや蟹工船で覚えた犯罪基礎技能、頑健な肉体・気力・五感。「なにがなんでも逃走してやる」「人間の作ったもんは必ず壊せる」という信念と執念、実行力。一部の刑事や看守、世話人、篠原のお嬢さんと、人には結構恵まれており、「根っからの悪党ではなかった」などと評されていることから、もっと前半生に彼らのような人と出会えていれば、もっと善のために能力を発揮できたかもしれない。

ガッツリ人殺ししているが、待遇改善のために脱獄する、親切な看守が非番の日に脱獄する、野山潜伏時に退屈すぎて野鳥とふれあう、など仁義やカワイさを感じさせるエピソードもある。五寸釘寅吉も友情出演。

 

【詳細】
<目次>

  • 府中刑務所出所
  • 白鳥との出合い
  • 事件を追って
  • 青森脱獄
  • 秋田脱獄
  • 網走脱獄
  • 札幌脱獄
  • 東京へ護送
  • 府中在監
  • 人間・白鳥
  • 出所後の白鳥

<メモ>

〇極意

  • 時期:真冬は避ける
  • 「なにがなんでも逃走してやる」という執念を忘れず、少しずつ準備を進める。
  • 針金、釘、ブリキ片、味噌汁、手に入るものはなんでも使って拘束具や設備を破壊する。秘技・貧乏ゆすり床板斬り。
  • 狭い隙間であっても、窓枠・床下から身体を脱臼させて脱獄する。
  • 野山に数年潜伏できるくらいのサバイバル能力を鍛えておく。 

 

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