Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

西田幾多郎とは誰か


著者(監督):上田閑照

【概要】
哲学論文はもちろん、書簡や短歌、書などを読み解きながら、西田幾多郎という人間、彼が残した思想に触れようと試みる。曰く、「我々の最も平凡な日常の生活が何であるかを最も深く摑むことに依って最も深い哲学が生れる」。私も「境涯」と言い得るまでの生を全うしたいと思った。

【詳細】
我々の最も平凡な日常の生活が何であるかを最も深く掴むことに依って最も深い哲学が生れるのである。

生涯の三要素に着目して西田の生涯を振り返る。

①「人生」
「ある人が生まれてから死ぬまでの一生と言う限りのある命の持続を生きるなかで、人と人との交わりがなされ、さまざまなことに出会い、(中略)、ときには大きな運命的な出来事に見舞われたり」といった事態。

②「歴史的社会的生」
「生まれてから死ぬまでの一生の時間」のうち、「ある特定の社会の特定の時代において営まれ」、「歴史の流れのなかの「いつからいつまで」と重なり浸透し合って」いる要素。

そして③「境涯」
近く親しい者の死において、またそれを機縁とした死の自覚において、そのような虚空ともいうべき限りない「開け」を予感し実感しながら、世界内存在というだけでなく、そのように虚空にあることが「もう一つの別次元」となって生きられるとき、その「境涯」において生涯は真の「生涯」になります。

西田の随筆や詩歌は西田幾多郎随筆集に譲る。

ほっこりエピソードの一例。
生徒はよく先生の自宅へ遊びに行ったが、お茶受けにお菓子が出ても遠慮していると先生が自分で食べてしまうから、出たらすぐ食べなくてはいけないと生徒たちが云っていた。

現代では書簡は残らないと考えてよいから、エラくなりたい人は手紙で通信するといいかもね!