Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

美しい日本語


著者(監督):金田一春彦

【概要】
語の修飾関係、Yes/No、敬語、話者同士の上下関係、自動詞の多さなど、日本語の素朴な疑問や特徴を掬い上げていく。
「会話をするとは、結局相手への配慮をいつも忘れずにいる、ということかもしれない」「相手の知らないもの、馴染みの薄いものでいくら説明してもピンとこない」などの会話の秘訣も教えてくれる。

【詳細】
流行語、方言、落語、『平家物語』、『徒然草』、『東海道中膝栗毛』などなどの豊富な用例を引きながら、日本語の不思議を解き明かしていく。
(孟母「三」遷、虎狩りと鷹狩り、前、ご苦労、などの素朴な疑問)

<曖昧模糊>
日本語は「一番肝心な述語が最後に来る」ので、前触れ副詞を使ったり、結論から話すなどの対策をとるべきこと。
「自慢じゃないが」や、自動詞の多さからは、ことさらに自分の行動を言い立てたくないこと。

<会話の秘訣>
「会話をするとは、結局相手への配慮をいつも忘れずにいる、ということかもしれない」
「相手の知らないもの、馴染みの薄いものでいくら説明してもピンとこない」
ほかにも、外国人への勧進帳の説明を、「パスポートなしの税関通過」と言いかえること。

パパ・京助への尊敬、ダジャレやジョーク集(ケネディ、「これがほんとのロング・ロング・アゴー」)、を随所に取り入れている。
「助詞の中で日本語で一番自慢できるのは「が」だ」と自慢したかと思えば、
ポロッと「あんな愚かな時代には二度と戻りたくないものだ」と戦争体験の悪夢を思い返したりもする。

<標準化への抵抗>
地方に行ってこれはすばらしい、という方言を見つけたら、ぜひ東京に持って帰ってもらいたいものだ。また地方で、これこそ我が郷土が誇る言葉というものがあったら、恥ずかしがらずに堂々と使ってほしい。今後はこうした地方に生まれた言葉をどんどん広めていくということが、日本語を豊かにすることにつながっていくのである。

<不易流行>
若い人たちの言葉は、日ごとに新しく変わりつつある。しかしそれはあくまでも表面的なことで、根本を流れるものはそうそう簡単に変わることはない、というのが私の持論である。