著者:渡辺和子
【概要】
シ〇タクさんご推薦。
「~すれば~される」という双方向的な関係構築マインド、内面に目を向ける大切さなど、「キレそうになる日もあ」るという人間臭いシスターのお話。
やっぱり二・二六で凶弾に斃れた父親の話が白眉かな。
【詳細】
Bloom where God has planted you.
マザテレはもとより、八木重吉、河野進など渋すぎる人物の言葉を引用しながら、心を穏やかに保つ心得をあたたかな言葉で説く。
当たり前田のクラッカーだが、新約聖書の引用も多い。
幼少時の悲劇や学長の重責、鬱病や骨粗鬆症などを経験してきた苦労人なので、言葉に重みがある。
あやまちやくるしみも余さず吐露してくれるので、聖人君子感も薄く、一人の苦悩しながらもひたむきに歩む人間のすがたが眼に浮かぶ。
「時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ」
「現代の忘れ物の一つは、自分が動くこと、そして世の中を明るくしてゆこうという積極性なのです」
「不機嫌は立派な環境破壊だということを、忘れないでいましょう」
「一生の終わりに残るものは、我々が集めたものではなく、我々が与えたもの」
「「私も経験したからわかるわ」といい切るのは思い上がりではないでしょうか」
⇒自分の感情や苦悩は畢竟、自分で処理しなければならない。
管理職経験も長いの。
「委ねるということは、決して“丸投げ”することではなく、要所要所でチェックをして、委ねっ放しでないことを相手にもわからせること」
でもやっぱり、
「九年間に一生分の愛を注いでくれた父」
のお話がいちばん胸に迫る内容だった。