【概要】
著者(監督):池上彰
見ての通り、旧約・新約聖書の概説書。両聖書の主要ストーリー、およびキリスト教が世界宗教として発展する歴史を概観。その他、関するあれこれについてアキラらしく平易に触れる。
人間は地上の支配者たる特権を与えられたこと、イスラエルの所有権、原罪などの頻出テーマはもちろん、「犠牲の羊」「目から鱗」などの聖書由来の言い回し、パウロが「ローマの信徒への手紙」でキリストの教えを集大成したものが福音書につながるといった各種文書の関係性まで。新約にローマ帝国への忖度が見えるのは面白い。
ちなみに…とたびたび出てくるトリビアが意外と面白かったりする。(e.g. 赤十字のマークの由来、戸村一作、聖路加国際病院の名前の由来、磔刑の真の恐ろしさ、十字を切る方向のちがい、 福音派の影響力…など。時折「アダムはイブのせいにして、イブは蛇のせいにする。人間の祖先はずるいですね」といったコメントや、プーチンは「剣で滅びる」とタイムリー発言をかましたりする。
【詳細】
<目次>
- 第1章 いまさら聞けない『聖書』とは
- 第2章 『旧約聖書』を読んでみよう
- 第3章 『新約聖書』を読んでみよう
- 第4章 世界に広がるキリスト教
- 第5章 キリスト教の分裂―正教会の成立
- 第6章 ローマ教皇の権威確立
- 第7章 イスラム世界との対立招く十字軍
- 第8章 キリスト教の再度の分裂―宗教改革
- 第9章 福音派が大きな影響力を持つ米社会
<メモ>