Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ブッダ

ブッダ 1

【概要】
著者(監督):手塚治虫

いつも私はいっているね

この世のあらゆる生きものははみんな深いきずなで結ばれているのだと…

 

その名の通りブッダ伝を巨匠がマンガ化。基本的には原作(?)通り、四門出遊⇒出家⇒苦行⇒悟り⇒伝道の旅、といった王道コースをなぞるのだが、ブッダ伝の前後や合間に手塚オリジナルエピソードがミチミチに挿入されている。登場期間長い服主人公格のタッタ(心転身の術)、悪役としてのダイバダッタ、受難ラッシュのミゲーラさん、巨人ヤタラ、未来予知のアッサジ先生といった、ブッダよりも存在感あるキャラの投入により群像劇っぽくなっており大河ドラマ感ある。が、ちょっとギャグが多すぎるところが気になるかも。

生老病死の苦しみや人間存在の哀しみから自由になるという原始仏教のエッセンスは十分に注入されている。 五蘊皆空・諸行無常・輪廻転生・因果応報などの主要概念に触れたエピソードもあり、学習漫画的な奥行きがある。冒頭にもあったエピソードだが、やはりウサギが犠牲になるお話が印象に残る。

ときには身を投げだしても相手を救ってやるがよい

ブッダ、後半になるにつれてだんだん風貌に仏感が出てくる。後光、白毫、螺髪、ひげ、耳たぶなどなど。が、他のブッダ伝のような超人的な面はあまり前面に出ず、最期まで人間的完成には到達しない印象。けっこう病弱で終盤になっても悩み多い。が! なんとか目の前の苦しむいきものを救おうとする姿勢が光る。それにしてもシャカ族の滅亡、落ちぶれた家族との再会、教団の分裂、弟子に先立たれるなどの悲劇を前に苦悩するなど、喜怒哀楽を捨てきれていないのが人間臭さある。

 

tezukaosamu.net

 

【詳細】
<メモ>

honcierge.jp

 

予はあなたによい名をさしあげよう

ブッダ(目ざめた人)」と! 

 

苦行…… いったい苦行ってなんだ!

人間が苦しむには もっと 他の原因があるはずなんだ

 

私は命のかぎり果たします

この宇宙の中の私の役目を!

 

わかったぞ そうだ いま わかったぞ〜っ

人間の心の中にこそ…神がいる…神が宿っているんだ!!

 

いつも私はいっているね この世のあらゆる生きものははみんな深いきずなで結ばれているのだと…

人間だけではなく 犬も馬も牛もトラも魚も鳥も そして虫も……それこら草も木も……

命のみなもとはつながっているのだ みんな兄弟で平等だ おぼえておきなさい

そして……みんな苦しみやなやみをかかえて生きている

…これを「衆生」と呼ぼう

 

自分の不幸を 自分の苦しみをなおすことだけ考えるのは心がせまいのだ 家のこと みんなのことを 考えてみなさい

だれでもいい 人間でもほかの生きものでもいい 相手を助けなさい 苦しんでいれば救ってやり こまっていれば 力を貸してやりなさい

なぜなら 人間もけものも虫も草木も 大自然という家の中の親兄弟だからです!

 

ヒョウタンツギにあたって入滅。

私が去ったあと…私の一生かけて説いた話は…どうなるのですか!!

百年たち千年たったあと 忘れられてしまうのですか!!

やっぱりけっこう心配性やな。逆に人間臭いという考え方もできるが。

 

冒頭にもあったエピソードだが、やはりウサギが犠牲になるお話が印象に残る。

ときには身を投げだしても相手を救ってやるがよい

 

  • 歴史物のはずが容赦なく現代的事物ギャグ入れてくるあたりが巨匠(e.g. シオマイテオクレ、「あしたは日本晴れ いいえインド晴れ」、日本沈没田中角栄タモリ、「ディズニーとかミッキーとかいったようなマンガをお読み」、「チェッ なあんだアニメとまちがってら」…)。
  • 印象的な表現:うみとり、スジャータ救出時の生きている宇宙、故郷落城時の苦しみ、巨人の涙、ヴィサーカーのケツ、ヤショダラちゃん。