【概要】
著者(監督):冲方丁
Kindleにて。冲方丁は読んだことないのだが、すんごくフランクにライトノベル・小説論を語っていく。「プロットを丸ごと載せます」「別に読み飛ばしても良いですよ?」などのように。代表作のプロットがほぼ丸ごと公開されているのが嬉しい。
基本的にはプロットを「ごちゃごちゃごちゃごちゃ書いてゆきます」⇒「そうこうするうちに、もういい加減、書きたいよ、という気分になったので書きました」⇒売れる、という天才的な売れ方なのであまり参考にならないかもしれない。小説や小説家にとって持続可能な状況を作り出したいのでもっと気楽に参加してくれ! と声援を送る。
<目次>
【ホームルーム】 本書について
●「小説が書けるようになると、何か良いことがあるんですか?」
●「技術論を書いているヒマがあったら、小説を書いた方が良いんじゃないですか?」
●「技術論は、とっても偉い作家が書くものじゃないんですか?」
●「作家が書いたものは、誰にも真似できないものである」
●「小説家は孤高・孤独・孤立でなければならず、情報交換をするのはみっともない」
●「他のメディアにふれることは、小説を書く上での参考にはならない」
【1時間目】 マルドゥック・スクランブルの書き方
[Step1] 編集者の要請
[Step2] 種書き
[Step3] 骨書き
[Step4] 筋書き
[Step5・6] 肉書き・皮書き
<休み時間 その1> デビューする前に決めたこと
【2時間目】 カオス レギオンの書き方
[Step1] 主人公の種書き
[Step2] プロット
[Step3] 人物とプロットの調整
[Step4] 交渉――そして推敲
<休み時間 その2> デビュー後のこと
【3時間目】 蒼穹のファフナーの書き方
[Step1] 人物とプロット
[Step2] ぶった切り
[Step3] 再構成
[Step4] 執筆
<休み時間 その3> 作家性
【4時間目】 とりあえず書いてみましょう
[その1] 主題探しのコツ
[その2] テレビ番組遊び
[その3] 擬人化遊び
[その4] 四コマ漫画
[その5] パロディ
<お昼休み> 新人を取り巻く状況について
【5時間目】 こんな風に言われたんですが
●「説得力がない」と言われました
●「リアリティがない、作品にのめり込めない」と言われました
●「意外性がないよ」と言われました
●「意外性がないよ」と言われました(2)
●「君の作品は目新しさがない、面白味がない」といったことを言われました
●「インパクトがない」と言われました
●「感情移入できない」と言われました
●「文章が下手だ」と言われました
<放課後> 読む娯楽から、書く娯楽へ
<メモ>
- ライトノベルというのは、技術的に未熟な新人の子たちでも仕事ができるジャンルとして成立している。
- 「これは自分にも書けそうだ」と思わせるハードルを、どんどん下げて行って成立したレーベル
- ライトノベルを書きながら、この主題をより思い通りに描くためのスキルを磨き続けてきた
- 主題を膨らませ、自分で意図する文体によってそれを表現するスキルをある程度身につけたあとは、再び感性の領域に戻ってきています。
- それは自分の中に内在する幸福感や喜びを追求していくこと。
- 小説を書くことは、もっと気楽で良い。
- とにかくイメージを追い求めて果てしない試行錯誤を繰り返すこと。 作品を成立させるために、何を書くのか、早々に割り切ること。 この二つのバランスが取れなければ、先には進めません。
- 誰からも期待されず、ただ黙々と書くというのは、やはり、小説を書きたい人にとって、最も大切なことなのかもしれません。
- 実際に書いてみることが一番です。 そのために「自分もやってみるか」という瞬間をつかんで下さい。
- 創作の三項目とは、知識・技術・感性です。
- 小説の五項目とは、主題・世界・人物・物語・文体です。
- 執筆の六段階とは、能書き・種書き・骨書き・筋書き・肉書き・皮書きです。
- 実は日本は「世界で最も作家デビューしやすい国」です。
- 自分が本気で好きだと思うものを可能な限り増やし続けること
- もう、あれです。 小説でも、どんどん、やって下さい。もっともっと、やって下さい。
- 最後まで書かないと意味ないです。
- 大事なのは書き続けて実力をつけることです。そのうちまたどこかでデビューしましょう。この職業に年齢制限はないのですから。