【概要】
著者(監督):アンデシュ・ハンセン 訳:久山葉子
脳科学・行動科学などの知見を縦横に引用しつつ、スマホに代表される携帯端末が我々(特に青少年)に与える悪影響に警鐘を鳴らす。生活環境の変化が全く遺伝情報に反映されていないので、人類は未だに数万年前の仕様を引きずったまま現代を生きている。そのことを客観的・理性的にまずは受け入れ、スマホ脳からの脱却をめざそう。曰く、「睡眠を優先し、体をよく動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分をさらし、スマホの使用を制限すること」が現代の精神衛生上有効とのこと。
【詳細】
<目次>
- 第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
- 第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
- 第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
- 第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
- 第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
- 第6章 SNS―現代最強の「インフルエンサー」
- 第7章 バカになっていく子供たち
- 第8章 運動というスマートな対抗策
- 第9章 脳はスマホに適応するのか?
- 第10章 おわりに
<メモ>
人類の歴史の99.9%の期間、私たちの生存を維持してきた生物的なメカニズムが、突如として益よりも害を引き起こすようになったのだ。
社会環境や技術の変化が激しすぎて生物学的な進化スピードが追い付いていないぞい(; ・`д・´)
このような企業(元〇acebook、Twitterなど)の多くは、行動科学や脳科学の専門家を雇っている。そのアプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存性を実現するためにだ。金儲けという意味で言えば、私たちの脳のハッキングに成功したのは間違いない。
ハックされておるぞい(; ・`д・´)
スマホが及ぼす最大の影響はむしろ「時間を奪うこと」で、うつから身を守るための運動や人づき合い、睡眠を充分に取る時間がなくなることかもしれない。
睡眠は脳内老廃物の清掃にも有効じゃぞい(; ・`д・´)
自動化や人工知能の普及により、消えてしまう職業は多い。人に残される仕事は、おそらく集中力を要するものだ。皮肉なことに、集中力はデジタル社会で最も必要とされるものなのに、そのデジタル社会によって奪われてもいる。
ドーパミン注射の嵐であるデジタル機器を触る時間(スクリーンタイム)を減らし、何か一つのことに集中して長期記憶として固定化することが重要。忍耐が肝心(; ・`д・´)