絶滅した動物たちが自らの運命を語るスタイルが笑いと涙を誘う。多種多様な語り口が面白い。個人的にはやっぱりステラーカイギュウさんがお気に入り。知ってるようで知らない人（？）選が絶妙。
地球の気まぐれな環境変化、人間の乱獲や外来種・疫病の持ち込み。進化の発散と神秘、そして自然選択の非情さ。思い思いの「進化」を遂げてしまった彼らはその体で生きていくしかなかった(*'ω'*)
【詳細】
＜目次＞
- はじめに
- １ 油断して、絶滅
- ２ やりすぎて、絶滅
- ３ 不器用で、絶滅
- ４ 不運にも、絶滅
- ５ 絶滅しそうで、してない
- おわりに
- さくいん
- 巻末…別冊絶滅全史
＜メモ＞
★やさしすぎて絶滅（ステラーカイギュウさん）
ぼくは北極に近い海で2000頭のなかまとくらしていたんだ。あのころは幸せだったなあ。喧嘩もせず、ぼくらはコンブばっか食べてた。コンブをかみしめ、幸せをかみしめ。地味だけど、平和な毎日だった。
そんなある日、ぼくらのところにたくさんの船がやってきた。どうやらぼくらを偶然つかまえて食べた人間が、「うまい！」ってうわさを広めたみたい。それで肉や皮をとるためにやってきたんだ。
当然、にげたさ。でもね、速く泳げないんだよ。主食がコンブだから。それにぼくらは傷ついたなかまを見捨てることができなかった。
だから、なかまが人間におそわれると、みんなで集まって一生懸命助けようとしたんだ。それで人間たちにまとめてつかまっちゃったのさ。
(´；ω；｀)ﾌﾞﾜｯ
どうぶつの森で言うところのアタイ系やわたし系、オレ系やぼく系、厨二病、いろいろいて飽きさせない。ダジャレを連発する魚竜さん、ラップするネアンデルタール人さんなども印象的。絶滅せずに生き延びたやつも紹介。コラム的な絶滅ソングや別冊・絶滅全史もありサービス精神旺盛。５大絶滅とか生物種の何％絶滅とか地球環境の変化とか、解説はけっこうマジメ。
- 「……ってそれイルカじゃないか！」魚竜さん（イカ不足で絶滅）
- 「ものの数秒で一羽殺られまちた」スティーブンイワサザイさん（一匹のネコに狩りつくされて絶滅）
- （だれかを傷つけてでも生きていくたくましさがほしかった）ディッキンソニアさん（プニプニすぎて絶滅）
- 「みたいなことしてたら環境の変化についていけなくて死んだ」オパビニアさん（デコりすぎて死んだ）
- 「生きようよそこは！」ティラノサウルスさん（隕石が落ちて絶滅）
- 「ああ、どうして、本当に大切なものは、なくなってから気がつくんだろう？」アルシノイテリウムさん（砂漠に取り残されて絶滅）
- 「天然のミストでお肌うるおう～みたいな！」コビトカバさん（森に引きこもって助かった）
