【概要】
著者(監督):幾原邦彦
潔く カッコよく 生きて行こう
のOPでおなじみ。
「薔薇の花嫁」「ディオスの力」「絶対運命黙示録」などの独特な言語センスや美的センス、まったく先の読めないストーリーや不可思議で形而上的な作品設定、真面目なのかギャグなのかわからないシュールな演出…視聴者の心に深い爪痕を残す。
ウテナが決闘城に向かうシーンおよび変身シーン、そして33話のお泊りシーン、今は亡き川上とも子の印象的な声、 兄妹や同性間の恋愛感情のもつれ、ネタキャラの地位を確立した七実と西園寺先輩…そんなたくさんの爪痕を。
映画版も併せて観て、描かれたこの世界に一旦の区切りをつけたい。
【詳細】
<あらすじ>
4部からなる。各部ごとに雰囲気変わる。
第1部:生徒会メンバーと決闘する。11話でついに冬芽に敗れたあとのアンシーの塩対応が印象的。
第2部:闇若葉などを製造する。心の闇につけこみ倒す。
第3部:お泊りウテナ「永遠ってなんですか」「まさか、あんなことになるなんて」
第4部:プラネタリウム城の崩壊。ラスト2話(38,39話)の総括感。今までのデュエルを振り返るぞ。 かつての王子様ディオスとその身代わりの薔薇の花嫁。姫宮に向き合う覚悟を固める。
<印象>
- ウテナ、一人称が僕でなんだか快い。川上とも子の中性的な声もそれを引き立てる。勝率はかなり高く心持ち20戦1敗くらい。OPでおなじみウテナ牙突がかっこいい。後半の変身シーンはお気に入り。
- 難解で隠喩的なストーリーは展開が読めない。真面目なのかギャグなのか実存的なのか。(Aパート)イベント発生→決闘(デュエル)申し込み→(Bパート)かしらかしら→決闘、という様式美が確立されている。決闘のきっかけは恋愛感情や痴情のもつれが多い(兄妹、同性、略奪)。姫宮と暁生のひめごと、七実と手下との愛憎、憧れ、恋慕…。彼女らは決闘場に向かった。
- 耽美的で前衛的な表現・美的センス(薔薇の枠、廻る薔薇など)が他の追随を許さない。「世界の果て」「薔薇の花嫁」「エンゲージ」「ディオスの力」などの謎めいた語、現代美術的決闘場、外の世界から隔絶された学園、そして不思議な魅力を放つ挿入歌(「絶対運命黙示録」もしくくしも… など)。
- 少女漫画的なギャグがシュールな笑いをもたらす。七実と西園寺は完全にネタキャラ(ドナドナ、こんにちは赤ちゃん、夜明けのスキャットなど)。
- 内面の掴めない姫宮の変化が注目される。引っ越し後おねんねシーンや髪下ろしアンシー、陽の象徴たる同性と同棲する彼女はこの作品の陰だ。
- 幼ウテナ「生きてるって気持ち悪いよね」
- お泊りウテナ「永遠ってなんですか」「まさか、あんなことになるなんて」
<考察ブログ>