【概要】
著者(監督):幾原邦彦
アニメの補完篇といった感があるが、より鮮明にアヴァンギャルドに再構成されている。ウテナカー登場! からのカーチェイス! からの全裸百合バイク! にはあんぐり口を開けているほかなかった。
「王子様」がまったく出てこない点、アンシーの「私、ウテナは出るわ」発言、永遠・奇跡・輝くものの崩壊などから、この一連の作品を読み解く鍵が得られるか。ウテナとアンシーがそれぞれ精神の二側面であり表裏一体の存在であるとか、お姫様も王子様も共依存関係にあり幻想で互いを縛っているとか…。アニメと一緒にじっくり考察したいところ。
【詳細】
<印象>
- TV版のパラレルワールド感がすごい。まどか新編みたいな内的世界・精神世界イメージの映像化といった趣がある。動きまわる建造物は人工感の高まりを感じさせる。
- 相変らず挑戦的な表現の数々。写生、星空鏡面ダンス、水槽冬芽、ウテナカー製造工場(!?)、カーチェイス、髪をなびかせ全裸バイク、など。
- 短髪ウテナと強気アンシー、画風一見違うが大体同じ。ただ性格やしゃべり方が少し違う。ストレートとパーマも逆。百合度は上昇、ウテナの髪伸びるよ。
- 冬芽先輩のトラウマ、枝織の存在感UP、理事長すでに死亡(十郎太ボイスでなく小物感)など、違いを楽しもう。
- 「永遠、奇跡、輝くもの」 を求め「私、ウテナは出るわ」。学園からの離脱と旅立ち。
- ウテナ=アンシー=王子様説が根強いようだ。お姫様で王子様、共依存していたということ? ウテナとアンシーが精神の二側面の類型として描いてあるのかも。