評価:B+
【評】
理想に生き、理想に死す―――それは人の夢。
スポーツ万能・頭脳明晰なチート革命児ゲバラの生き方がまさにそれだ。
外国資本による収奪、腐敗・怠惰に染まったラテンアメリカの姿に憤激した彼は、
メキシコで、生涯の盟友・カストロと出逢い、ついにキューバ革命を成し遂げた。
工業相としての仕事、アメリカとの斗い、キューバ危機。
革命の勝利から五年間ののち、彼はキューバを去り、新たな戦場へと向かうのであった。
コンゴ、ボリビアでの革命に自信アリだったが…
ハイライトは第二章のキューバ革命。
ゲバラの著作や書簡、談話、彼を知る人の証言からヒゲバラ像が浮かびあがってくる。
死亡後5年以内に書かれたので鮮度が良い。
一般になじみの薄いラテンアメリカの空気が味わえるぞい。
歴史は多くの革命家をもったが、いったん権力を手にした革命家が自らその地位を放棄して、困苦に満ちた新たな戦列に加わったという例はかつてない。
チェがそれをなした史上最初の革命家であった。もしかすると、ドン・キホーテになりかねないその生き方がこの稀有の革命家に天があたえた道なのかもしれなかった。
なすべき最も誠実なことは、チェの意志や勇敢にも思想を守るためにかれのかたわらに倒れた戦士たちの前に、黙祷をささげることであろう。なぜなら、大陸を救うという高貴な理想に導かれたひとにぎりの人びとが行ったこの行為は、意志の力、英雄的な精神、そして人間の偉大さが何をなしうるかの崇高な証として、永遠に残るだろうからである。
民心の鎮撫、厳正な軍紀など、古今東西に通ずる叛乱の基本には学ぶところが大きい。
ゲリラ戦を戦いたいキミは、ゲバラの著作を読もう。
永遠の勝利まで。祖国か死か。
ありったけの革命的情熱をこめてきみを抱擁する。
と、手紙の結びではやたらキッスと抱擁を与えてくるぞい。
あっ、そうだ。スペイン語選択のキミに(・ε・) ↓ プレゼントぢゃぞい。