Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

地球進化46億年の物語

著者:Robert Hazen 監訳:円城寺守 訳:渡会圭子
評価:B+

【粗評】
ブルーバックスらしからぬ厚み。地球の誕生から未来まで、全11章で送る壮大な鉱物と生命の共進化の歴史。
「鉱物と生命の共進化の過程、すなわち地質学と生物学は、おどろくような形で絡み合っている」。
鉱物と生物は互いに影響を与え合っていた。鉱物のくぼみが生物の誕生を助け、生物は金属イオンを活用した。地球の色は何度も変わっていたのだ。

地球の歴史を通じて、空気、海、陸地、そして生物は、周囲を変える地球の力によって形づくられている。日光の力、地球の内部熱、水のマジック、炭素と酸素の化学的パワー、地下奥深くで絶え間なく起こっている対流と、その結果起きる地震による近くの崩壊、火山活動、絶え間なく動いている大陸プレート。
そして昨今我々を悩ます「温暖化問題」。
私たちが最大の関心を向けるべきなのは、変化自体ではなく、変化の“速さ”である。気候や海面や生態系は、あるとき転換点に達し、変化の方向が変わってしまうことがあるからだ。
私たちが行動を起こすのは、“地球を救う”ためでは決してない。45億年以上、激しい変化の中を生き続けてきた地球を、私たちが救う必要などない。
(中略)
もし地球の行く末を心配するのであれば、それは何より人間という種のためであるべきだ。誰よりも危機に瀕しているのは私たちなのだから。
(中略)
このまま故郷である世界の変化のスピードがどんどん速くなれば、効果的な行動を起こすために残された時間がなくなってしまう。
話のスケールが徹頭徹尾でかい。地球規模で考えろ。
監訳までついているので訳に深みがある。

【学んだこと、生かしたいこと】
学際的発想。地球規模の発想。
モデルから逸脱するものに目を向けること。

【その他・リンク】
分析法の説明がグー。