知っていそうで知らないノーベル賞の話
知っていそうで知らないノーベル賞の話 (平凡社新書) [新書]
著者:北尾利夫
評価:C
著者のライフワーク、「ノーベル賞」の研究。
彼の遺志に基づき、ノーベル賞が設立されるまでの困難な道のり、その変遷や運営の仕組などを知ることができるぞ。
まずは、「Nobel」の読み方から始まる。「生理学・医学」賞がたびたび誤記されていることにもご立腹のようだ。
運営資金や賞金をどう捻出しているのかと思っていたが、実は彼の遺産を元手にした資産運用の結果得られたものであったことが判明。たしかにこれなら半永久的に存続させられるね。ていうかどんだけ遺産あんのノベニキ。賞金額の変遷の表からは、ここ百年のインフレが窺い知れて興味深い。
経済学賞に関わるデータが出るたびに、経済学賞は「ノーベル賞」に含まれないゾ、と著者はツッコミを怠らない。
賞の威厳を保つため、「一つの賞に対して、一年に三人まで」という制約は堅持されていきそうだ。
そしていつも思うのは、自然科学3賞に対する文学賞・平和賞のうさんくささ。前者はまだしも、後者のうさんくささは半端じゃない。佐藤栄作、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)及びアル・ゴア、オバマなど枚挙に暇なし。