Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ゴータマ・ブッダ

ゴータマ・ブッダ (講談社学術文庫)

【概要】
著者(監督):早島鏡正

タイの砂浜、木漏れ日のなかで南風に吹かれながら読んだ。執筆の動機は「ゴータマ・ブッダが道を求めて歩んだ求道者であり、さとりを得てもなおかつ道を求めて歩きつづけた人であったことを明らかにしたかった」からであるとのこと。特に後者の得道者・求道者的視点が重要。

著者、中村元の教え子らしい。思想、生涯、教説について初心者~中級者向けに解説。重要原始仏教経典の抜粋もありお得感。原始仏教における悟りの階梯を図解してみたいところ。

 

【詳細】

<目次>

  • 1. ゴータマ・ブッダの思想(日本人とゴータマ・ブッダ;南方仏教とゴータマ・ブッダ;アリヤン文化とゴータマ・ブッダ;ゴータマ・ブッダの根本教説;道の体系としての仏教)
  • 2. ゴータマ・ブッタの生涯(ゴータマ・ブッダ出現とその背景―六師外道;生いたち;出家前後;成道と説法;晩年)
  • 3. ゴータマ・ブッダの教説(『聖求経』;『ダンマパダ』;『スッタニパータ』;「縁起法頌」「涅槃路」「一日賢人偈」;「最初の説法」『無我相経』;『マールンキヤ小経』;『七処』;『空の小経』『空の大経』;『清浄道論』
  • 4. ゴータマ・ブッダ滅後の仏教(部派仏教;『ミリンダ王の問い』におけるブッダ観;大乗仏教;ゴータマ・ブッダの思想と現代的意義)

 

<メモ>

  • 螺髪だの仏足石だの、伝説が虚実入り混じって相当後付け設定が多いと思うが、何とか原始仏教のエッセンスを汲み取るよう努力したいところ。後世に生まれた種々の学説も、種々の宗派も、畢竟は同じ山の頂上(ニルヴァーナ)へ登るルートが違うだけと信じておるぞ。
  • 『ジャータカ(本生物語)』ににて、投げ上げられてからの虚空結跏趺坐の図には爆笑せざるを得なかった。
  • インドにやってきた異民族がアウト・カーストであるがゆえに普遍性のある仏教に熱心になったとの視点は面白い。
  • 前から思ってたけども、仏教、四文字熟語や「〇(数字)◇◇」のたぐい多すぎ。本書のⅠー4あたりの個人的な理解は以下。ツッコミどころあれば教えて( ˘ω˘ )

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〇引用シリーズ

弟子たちに向かって、最後のことばを発した。これが八十歳で世を去ったブッダの最後の遺誠となった。
「さあ、修行者たちよ、おまえたちに告げよう、『もろもろの事象は滅びゆくものである。怠ることなく、努め励めよ』と」
これまで、数限りなく説いてきた「諸行無常」の道理が、ここでも繰り返されている。ブッダの身体の死を、この道理に照らして正しく把握せよということの意義が語られている。
とくに「怠ることなく、努め励めよ」の一句は、真理体得への不断の精進をすすめており、同時に仏道修行の究極は、自己の完成にあることを示している。みずからが精励努力する求道者であったればこそ、弟子たちに「努め励めよ」とさとすことができたのである。人間釈尊の面目、まさにここにあるといってよかろう。

 

人類みな生きとし生けるもの(衆生)が、仏のさとりの世界の中で、それぞれの独自性を発揮しつつ、相協力して自他の存在をまっとうしようということを「道」の語で説示し、そうした「道」の体得に向かってひたすら歩みつづける「求道者」が無限に生まれていくことを念じたのがゴータマ・ブッダであった。

 

〇レジェンド

www.ifsa.jp

 

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