可憐。
おそらく十数年ぶりに視聴。チャン・ツィイー(章子怡)が淡い恋心を胸に、町から来た先生に奥手なアタックを繰り返す。母が父を家の前で迎える「一幅の絵」と称されるシーンを観ると監督はこのシーンが描きたかったんだろうなあと思わされるが、もはやあらゆるシーンが古き良き田園風景とチャン・ツィイーパワーで「一幅の絵」になっており、一見地味だが見せる力があるのは不思議。
井戸での待ち伏せや弁当作りで先生との接点Tを作ろうとするチャン・ツィイーの努力とか、道で待ち伏せするも何も言えずにプレゼントを渡すチャン・ツィイーの含羞とか、雪の中で先生の帰りを待つチャン・ツィイーのいじらしさとか、赤やピンクに彩られた田舎娘の可憐さとか、暖かな陽光で金に光るチャン・ツィイーの髪とか、「人、世に生まれたら志あるべし…」と息子が父よろしく1日授業を行うところとか、先生の棺をかつての教え子たちが運ぶところとか、素朴なラブロマンスながらも叙情的な魅力が煌めいている。
過去と現在の対比が鮮やかで印象的。現在は白黒で、昔はカラー。また、現在では校舎が新しくなっていたり、服が現代風になっていたり、水道や車が登場していたり、時間の流れを感じられる。最初はオカン何無理言うとんねんとなるが、過去回想を挟んで現代に戻ってくるときには視聴者は完全に母の味方になっている作りになっているのはさすが。
邦題に「道」が採用されているが、思えば父と母が出会ったのも道だし、息子が規制してきたときに通ったのも道だし、父の葬列が行くのも道だった。
【詳細】
<メモ>
- 町から来た若いインテリ髪型が共産圏。でもカッコよく見えてくるのはなぜ。
- オリエンタル音楽+機織りのシーンいいよね。
- 親子が互いの心配しあうのいいよね。
- 心臓病、工作、大学、先生、来了、没問題、太累といった簡単な中国語だけ聞き取れた。