【概要】
著者(監督):東洋エンジニアリング株式会社
エンジ御三家のTECが書いたPM本。本書を書くこと自体が1つのプロジェクトだったらしい。PMに関する具体的なツールとして、EVM(Earned Value Management)が紹介されているが、それ以外はだいたいPMの心構えが説かれている感じ。プロジェクトマネジャー(というかリーダー)は、多変数の絶えず変化する問題を解決できるスリルと達成感が味わえるらしい。畢竟、PJを成功に導くためには、できる限りの計画と現場における臨機応変な対応ができる力を個人およびチームで磨いていくしかない。
曰く、PMに必要な心構えは、「逃げないこと、騙さないこと、臆さないこと、飽きないこと」。
【詳細】
<目次>
- 第1章 プロジェクトマネジメント再入門―TEC流プロジェクトマネジメントの仕事術とは(マネジメントできないプロジェクトはない;プロジェクト遂行の要はマネジメント ほか)
- 第2章 プロジェクトマネジメントの世界―ゴールへの意志とリスクへの感覚(道は一つではない―だから目的地と見通しをしっかりと;旅には危険が付き物―だからリスクの兆しに敏感になろう ほか)
- 第3章 プロジェクトを可視化する―EVMの効果的な活用法(なぜEVMか;EVMのメリットを引き出す活用法 ほか)
- 第4章 ステークホルダーマネジメント―顧客との共同作業が成功への最短の道(プロジェクトの成功はどこからくるか;ステークホルダー間の良循環を創るには ほか)
<メモ>
- PJの初期段階に集中投資する。
- A3資料で進捗等まとめて週間会議。
- IT系PJの格言… "Design Twice, Code Once"
計画と実績のを比較する習慣をつける。できる限りの計画と現場における臨機応変な対応が重要。 - リスクの把握と対応(想定)を日ごろから行っておく。
- マネジメントするのはPJだけでなく人、組織、情報も。PM技法はプラントだけでなくIT系にも適用可能らしい。
- EVMとは…BM(MS)到達ごとに累積%を設定し、科学的に(誰がやっても同じ)PJ進捗を定量評価する。出来高はマイルストーン法と物量法の組み合わせで重みづけ積算し妥当に。これを精度よく使いこなすにはイベント・成果物・ゴールが初めからある程度見えていることが必要。
- Work packageの粒度の適切な設定が重要。管理工数が無駄なのでなるべく権限移譲。
- PJ成功の基準…①納期通りか②目標達成できたか③ステークホルダー(PJメンバー含む)が満足できたか。
- PMに必要な心構え…逃げないこと、騙さないこと、臆さないこと、飽きないこと。
- プロジェクトモニタリング…「最初のボタンが正しく掛けられていること、そして、その次からもきっちり正しい位置に掛けられていることを継続的に確認していく作業」