Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人 (岩波文庫)

【概要】
著者(監督):シェイクスピア 中野好夫

友情と愛情はどっちが勝つのか。当時の親しまれていた話をシェイクスピアが再構成した模様。悪役のシャイロックの存在感や第四場の裁判の盛り上がりがすごい。変装したポーシアさんの名判決には「待ってました!」なカタルシスを得られるはず。当時の聴衆たちも歌舞伎的なこの瞬間を求めて劇場に駆けつけていたに違いない。指輪いじりがすごい。詭弁の勉強になるかも。 

 

shakespeare.mit.edu

 

【詳細】
<メモ>

グラシアーノ

「罷り出たるは大善乞食、ご託宣だぞ、犬どもだまれッ!」

 

“I am Sir Oracle,
And when I ope my lips, let no dog bark.”

 

グラシアーノ

口を利かんで褒められるのは。牛の下の乾物か、でなきゃ、売残りの生娘、それだけですからね。

 

i’ faith, for silence is only commendable
In a neat’s tongue dried and a maid not vendible.

 

メリッサ

まあ、お嬢様、もしも不幸(ふしあわせ)が、お嬢様のそのお幸福の数(しあわせ)ほど、そんなにもたくさんになりましたら、そりゃそういうこともございましょうがね。

 

You would be, sweet madam, if your miseries
were in the same abundance as your good fortunes are.

 

ポーシア

いくら頭で熱い血を抑える掟をつくってみても、血気は冷たい掟なんか跳び越えてしまう。
青春という気狂い兎は、分別なんてちんば男の掛網くらい、一足飛びに跳び越えてしまうものよ。

 

The brain may devise laws for the blood, but a hot temper leaps o’er a cold decree: such a hare is madness the youth, to skip o’er the meshes of good counsel thecripple.

 

シャイロック

なんなら平突ばって、奴隷みたいなオロオロ声、
息を殺して。恐れながらとでも申上げましょうかな、
「旦那様、お有難うごぜえます、この前の水曜日にゃ、
唾ァ吐っかけていただきましたし、いつぞやはまた、
足蹴にもかけていただきました。それにまたいつぞやはね、
犬呼わりも頂戴致しました、この御親切の返礼には、
然々かようのこの金子、きっと御用立は致しますから」とね。

 

Shall I bend low, and in a bondman’s key,
With bated breath and whisp’ring humbleness,
Say this: “Fair sir, you spet on me on Wednesday last;
You spurned me such a day; another time
You called me ‘dog’; and for these courtesies
I’ll lend you thus much moneys”?

 

シャイロック

無駄骨折の、復讐(しかえし)もできずか。不運という不運が、すべてこの肩に落ちかかってきやがる。
溜息という溜息はみんな俺(わし)のつく溜息、涙という涙はみんな俺の流す涙だぞ。

no satisfaction, no revenge:
nor no in luck stirring but what lights on my
shoulders; no sighs but of my breathing; no tears
but of my shedding.

 

ポーシア

ああ、恋よ、静かに落ち着くのだよ、
興奮するんじゃない、喜びの雨も適度(ほどほど)に降っておくれ。
こんなに度を過ごしちゃいけないわ。
なんだか幸福(しあわせ)すぎる、どうか、もっと抑えて。
でないと、幸福に食べ飽きるかもしれないから。

 

O love,
Be moderate; allay thy ecstasy,
In measure rein thy joy; scant this excess.
I feel too much thy blessing: make it less,
For fear I surfeit.

 

アントーニオ

親友を失ったことを、君が悲しんでさえくれれば、
僕は君のための負債を払うことを、ちっとも悔いとは思わぬ。
だって、もしあのジュウ奴の刃が一つ深くでも刳ってみろ、
たちまち僕は、全心臓を捧げて償うことになるんだからな。

 

バッサーニオ

アントーニオ、僕は結婚した。その女房は、
僕にとって生命にも劣らぬ大切(だいじ)な女房だが、
その生命も、女房も、いや、この全世界すらも。
僕は君のその生命ほどに尊いとは思わん。
なにもかも失ってもいい、そうだ、なにもかもこの悪魔奴に
くれてやってもいい、僕は君の生命を救いたいんだ。

 

ポーシア(扮する法学博士)
これこれ、もし奥様が側にいて、そんな話を聞けば、
あまり有難いとは申されんだろうな、きっと。


Repent but you that you shall lose your friend,
And he repents not that he pays your debt;
For if the Jew do cut but deep enough,
I'll pay it presently with all my heart.

 

Antonio, I am married to a wife
Which is as dear to me as life itself;
But life itself, my wife, and all the world,
Are not with me esteem'd above thy life:
I would lose all, ay, sacrifice them all


Here to this devil, to deliver you.

Your wife would give you little thanks for that,
If she were by, to hear you make the offer.

 

ポーシア

ちょっと待て、まだあとがある。この証文によれば、
その方には血は一滴も与えておらぬが、それでよいか、
文面にははっきりとこうある、「肉一ポンド」とな。
証文通りにやるのだ、肉一ポンドだけは取るがよい。
だが、よいか、切取る際に、もしキリスト教徒の血、
一滴たりとも流した場合は、その方の土地、財産、
ことごとくヴェニスの国法にしたがって、
ヴェニスの国家へ没収するが、それでよいか?

 

グラシアーノ
ああ、公正な判事様! 聞いたか、ジュウ、学の深いお方だ!

 

Tarry a little; there is something else.
This bond doth give thee here no jot of blood;
The words expressly are 'a pound of flesh:'
Take then thy bond, take thou thy pound of flesh;
But, in the cutting it, if thou dost shed
One drop of Christian blood, thy lands and goods
Are, by the laws of Venice, confiscate
Unto the state of Venice.

 

O upright judge! Mark, Jew: O learned judge!

 

 

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