Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー (岩波文庫 赤 204-6)

【概要】
著者(監督):W. シェイクスピア 訳:中野好夫

シェイクスピアのものした有名な悲劇。舞台は古代ローマながらも16世紀末英国の当時の服装や風俗が何気なく取り入れられており、現代劇であったことが窺える。あとは人物の近代的価値観とか。日本語訳ながらも淀みない雄弁さが癖になっちゃうかも。気に入ったセリフは以下のサイトなどで確かめて、英語劇のリズムを体に覚えさせるとよいぞ( ˘ω˘ )

当時の演劇を味わうための基礎知識とか、シェイクスピアの略伝とか、巻末の解説が充実している。

shakespeare.mit.edu

 

【詳細】

<メモ>

この唐変木野郎、
石頭、いや、木石にも劣る馬鹿野郎どもが!
情け知らず、冷酷非情の素町人ども、
貴様たちはポンペイさまを知らんのか?

You blocks, you stones, you worse than senseless things!
O you hard hearts, you cruel men of Rome,
Knew you not Pompey?

 

かりにローマ人が口にした約束を、たとえ毛筋ほどでも
破るような人間、それは彼の体内を流れる血、
享けている高貴な血の一滴一滴までが、
ことごとく不純不潔の罪を証することになる。

when every drop of blood
That every Roman bears, and nobly bears,
Is guilty of a several bastardy,
If he do break the smallest particle
Of any promise that hath pass'd from him.

 

ただ勇者だけは一度しか死の味を知らぬ。
天地の異変は俺もずいぶん聞いているが、
なんともわからんのは、人間、死を恐れるということ。
死、こればかりは人間誰しも免れえぬ必然の帰結、
考えてみろ、来るときには必ず来るのだ。

Cowards die many times before their deaths;
The valiant never taste of death but once.
Of all the wonders that I yet have heard.
It seems to me most strange that men should fear;
Seeing that death, a necessary end,
Will come when it will come.

 

ブルータス、お前もか? ぜひもないぞ、シーザー。
Et tu, Brute! Then fall, Caesar.
Dies

 

彼の愛には涙、幸運には祝福、有機には尊敬、そして野心には死をという、ただそれだけのことなのだ。

There is tears for his love; joy for his
fortune; honour for his valour; and death for his
ambition.

 

俺は叛逆者どもに対し剣を抜く。
ふたたびこれが鞘に納まる日はいつだと思う?
シーザーのあの三十三の傷口、その復讐が悉くなるか、
それともいま一人シーザーが、同じ叛逆者の刃に仆れるか、
その日まで断じて鞘にはもどらんのだ。

I draw a sword against conspirators;
When think you that the sword goes up again?
Never, till Caesar's three and thirty wounds
Be well avenged; or till another Caesar
Have added slaughter to the sword of traitors.

 

〇はしがき

「最上の表現と敬服したものは敢て借用させていただいた。故意に前訳を避ける努力は無意味であると信じたからである」

「ことに訳者をほとんど絶望させたものは、誰しも言うことではあるが、原作の詩の移植である」