【概要】
著者(監督):松本吉泰
ハーバーボッシュ法から説き起こし、触媒の役割、平衡論と速度論、吸着と脱離、表面科学のイメージと研究の最前線レビューまで。
バルクとは異なる表面・界面の様子や、不均一触媒の表面でもぞもぞピョコピョコ跳ね回る原子や分子の気持ちが少しはわかるようになるのでは。
【詳細】
<目次>
- 第1章 触媒と表面科学
- 第2章 触媒とは
- 第3章 表面科学の戦略
- 第4章 固体表面における分子の動き
- 第5章 触媒研究の最前線
- 第6章 未来を担う触媒へ
<メモ>
良い触媒というのは特定の人とあまり深く付き合うことはなく、いろいろな人とほどほどに付き合うことができるような人ということになろう。
"God made solids, but surfaces were the work of the Devil"
Wolfgang Ernst Pauli
- アンモニア高圧反応装置の製作、超高真空の実現、ポンプ・プローブ法、雰囲気下電子顕微鏡など、材料の開発や分析手法の発達が表面科学の発展を支えた。
- 実験室の環境と現場での環境の差、プレッシャーギャップ・マテリアルギャップをどう埋めるかが重要だなあ。
- 基礎研究への投資、ミクロな世界への知的欲求、データの恣意的な利用の禁止も訴える。