【概要】
著者(監督):ラス・カサス 訳:染田秀藤
「カリブ海やメソアメリカ周辺、南アメリカ北部で征服者(コンキスタドール)どもが行った「破壊、殺戮および残忍な所業について語るのは明らかに至難の業であり、記すのもほとんど不可能に近く、耳にするのも辛いほどである」。でも書く。
先住民の信義と尊厳と生命を踏みにじり、ありとあらゆる責め苦を与える。四肢切断、首切り、顔剥ぎ、火炙り、絞り首、投げ落とし、騙し討ち、酷使・虐待、犬の餌…。極悪非道で残虐卑劣な白い人たちの悪行を暴き立てる。※病原菌もあるよ。
一見、神と皇帝(王)はその罪から除外されているように見えるが、著者はきっとこの世の不条理と不正義にブチ切れていたに違いない。
【詳細】
<メモ>
万が一、自分の治める国で民がなんらかの不正、過ちや害に苦しんでいるとすれば、それはひとえに王がその事実を知らされていなかったからにほかなりません。
ほんとにそう思ってる?(思ってないと思う)
この世に、スペイン人が犯したこのような所業以上に醜悪かつ野蛮で非人間的な行為はないであろう。
間違いない!
彼らは村々に闖入し、子ども老人だけでなく、身重の女性や産後間もない女性までも、見つけ次第、その腹を引き裂き、身体をずたずたに斬りきざんだ。
キリスト教徒はインディオの身体を一刀両断にしたり、一太刀で首を斬りおとしたり、内臓を破裂させたりしてその腕を競いあい、それを賭け事にして楽しんだ。母親から乳飲み子を奪い取り、その足をつかんで岩に頭を叩きつけたキリスト教徒たちもいた。
キリスト教徒は次々と新しいさまざまな殺し方や拷問の方法を編み出して、数えきれない人びとを生きたまま火あぶりにしたり、めった斬りにしたり、拷問したりしていた。
スペイン人はいちいち鎖を外すのが面倒なので、歩けなくなったインディオの首枷の辺りに剣を振りおろし、首と胴体がそれぞれ別の方向にころげ落ちるように始末した。
彼はさぞかし犬が腹を空かしているだろうと思い、母親から幼子を奪い、その腕と足を短剣で斬りおとし、細かく切断して犬に分け与えた。犬がそれを食いつくすと、今度は、彼はその小さな胴体まるごと地面に放り投げ、犬の群れの餌にした。
彼らの鼻から口髭まで唇もろとも削ぎ落とし、顔面全体をのっぺらぼうにさせた。
700人ものインディオがことごとく岩山から投げおとされ、地上でばらばらになるのを目撃したらしい。
スペイン人はインディオを殺しては、その肉、すなわち、人間の肉を公然と売買していた。彼らは「この犬に食べさせてやりたいので、そいつの四半分の肉を貸してくれないか。今度、俺のインディオを殺したら、返すから」と、まるで豚か羊の肉の四半分を貸し借りするように話し合っていた。
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