【概要】
著者(監督):加藤昭吉
かつて一世を風靡したPERT法の一般向け解説書。ネットワーク化・シーケンス化、クリティカルパスを意識して仕事に取り組む大切さを教えてくれる。ガントチャートではわかりにくいイベント間の関係や順序も整理できて面白そうなので使ってみようかな。非科学的な手法や甘い作業工数見積もり、長時間労働を戒めているあたり、40~50年前から同じことが言われているのが感じられてつらかなしい。
【詳細】
ガントチャートの限界を突破できる可能性があるが、正直ガントチャートしか見たことない…(作るのめんどいからかな)。
これから頭の整理としてPERTを業務で実践していきたい。
本書、1965年の出版であるが…
日本人、全然学んでないじゃないか…
日本人の生活には、どうも仕事の上で無駄な忙しさが多すぎるのではなかろうか。(中略)
たとえば、上司の命令で残業しながら急いだ部品の設計が、他部課の設計の遅れでストップしてしまったり、多額の資金を投じて突貫で完成した施設が、関連する他の施設によって遊んでしまったり、あるいは、緻密に計画したはずのプランに思わぬ隘路ができ、隘路が隘路をよんで、関係者全員が疲労困憊の極に達するといった態のエネルギーの浪費、それどころか費用の浪費がそのよい例である。
もちろん、このPERTは道具にすぎない。
大切なことは、全工程のなかで、全体の結果に影響を持つ本質的なところと、そうでないところの区別をはっきりさせることである。
本質的な問題の所在を明確に把握し、全体の結果や成績に本当に必要なことを勇気と自信をもってなし得る者こそ、真に管理者としての感覚を持ちあわせた人といえよう。
工期の三点見積り、リソース・コストの最適化などの話もあるが、まあPERTの宣伝が主ということで。