著者(監督):カスティル・ランドン
【概要】
落馬事故で視力を失う定めを課せられた少女が、盲導馬のポニーや全盲の少年との交流で自分の境遇を受容していく。小品で地味だが、明るさと堅実さがある。色彩感覚のあるなし、親の理解のあるなしの対比が物語の構造を明瞭にしている。
音声入力や点字の衰退にはテクノロジーの発達、感覚の拡張、バリアフリー伸長などを考えさせられた。See you, See the problemなどのblind jokeも面白い。そして少女の膝で爆睡するポニーが可愛らしい。
【詳細】
<あらすぎるあらすじ>
馬シリーズ。
障碍馬術中に落馬事故で視力が落ちていく。
自分もつらいけど娘を励ます親。杖指導をしたり家をバリアフリーにしたりと親が大人。
生まれつき全盲のセバスチャンや盲動ポニーとの交流を経て、自分の運命を受容していく。
最後にポニーの出血騒ぎを乗り越え一件落着。
<印象>
- 冒頭のスタッフ紹介がオシャレ(トロフィー、メダルの活用)。
- ガラスをプラにしたり床をフラットにしたりと、親が新たな視点を獲得してバリアフリーにしていくのは見習いたい。
- スマホの音声補助などインターフェースの工夫で障碍がダイバーシティの一つとなっていくことを実感した。五感の拡張ともいう。点字は生き残れるか?
- 先天的全盲で家庭の理解がないセバスチャンとの対比が効果的。
- See the problem. See you later. などのblind jokeが興味深い。ところで目が見えない人は現代社会ではどこで働いているのか?
- 膝を枕に爆睡するポニーが笑いを誘う。あんまりguideとして役に立ちそうではないが…。馬を飼う上では蹄とボロ問題が気になるが…。
- 主人公の胸の発育が気になる。
- アジア人の子どもが近所にいたり、女親がメインで働いていたりと時代の推移を感じる。