著者(監督):ギョーム・カネ
【概要】
障害馬術選手と愛馬の出会いと挫折、そして再起と栄光を描く。(日本では)シブすぎる題材ではあるが、おそらく予備知識なしでもスポーツ映画として楽しめるのでは。
夫として、ライダーとして主人公が成長するさまにはけっこう感動した。父の言葉で自分の乗りたい気持ちに気付くあたりとか、馬を気遣って選手権を棄権するあたりとかね。
「垂直」「水勒」といった用語や、汗こき、毛刈り、使役(競技補助)のさりげない描写など、馬術部員は必見。
【詳細】
<あらすぎるあらすじ>
仏語。主人公、幼い頃からライダーとして弁護士としてがんばる。
やがて弁護士を止め馬術チームの一員に。小柄な障碍馬ジャップルーに跨りオリンピックに出るまでに成長するが、LA'84にて落馬、挫折。
うっかり馬を売りそうになるが、父の死と馬の病気が陽性だったことから思いとどまる。
父と厩務員ジルの言葉が身に沁みて、パートナーの代名詞を「彼」に変更。
馬に関わることを今一度己に問うた彼は、馬の体調を慮って棄権する選択ができるまでに。彼はライダーとして成長し、ジャップルーは真に愛馬となった。
監督との不和で一時期チーム抜けるが、監督交代でチーム復帰。ソウル五輪へ。
もう大団円しかない。最後の垂直で手を離すシーンのカタルシス。そしてその後の芝生もぐもぐ。
<印象>
- 折れそうなとこでの父子の会話がgood.「お前の夢が先だ すり替えるな」の言葉に自分のやりたい気持ちを認める。監督や父のせいにしないこと。
- 競技時のカメラワーク、馬の眼がステキ。
- ビタ止まりや逃避、落馬、失格などの障碍あるある。訳が正確。
- 箱番や競技後の汗、汗こき、毛刈りなど馬との交流がgood.