【概要】著者(監督):榎本博明 「適応するのに時間がかかるというのは、適応できないこととは違う」「必要以上の自己批判は、あくなき向上心のあらわれと言える」など、内向的な人間に精神のカンフル剤を提供する。根はポジティブな内向的人間でありたいも…
【概要】著者(監督):原民喜 「人生のこと何がはたして夢以上に切実であるか。春の美しい一日はたしかにある」といった感じの、幻想的でどこか淋しい詩を収める。『原爆小景』『永遠のみどり』『悲歌』あたりは有名どころか。妻の俤と美しい記憶と透明な幻…
【概要】著者(監督):こだま 直球タイトルが清々しい。内向的な精神はいかに苛酷な現実と対峙し、小康状態に至ったか。著者が直面した悲喜劇を描く。陰のある生い立ち、性生活の不一致、堕落、学級崩壊、休職など、陰惨で胸がきりきり痛む内容だが、どこか…
【概要】著者(監督):橘玲 「資産運用の常識」を教える。 曰く、 資産運用は金儲けの手段ではなく、人生における経済的なリスクを管理するためにある。そんな「臆病者の投資家」にとって、資産運用で最も大切なのは目先の利益ではなく、将来の予期せぬ経済…
【概要】著者(監督):百田尚樹 運命変更可能系SFの一環。神話や宗教、Macbethなどに見られるように古くて新しいテーマである。能力に代償があるあたりはリゼロに似ている。 最近だとまどかとかシュタゲとかリゼロとか君町とか君の名は。とか、少し古いやつ…
【概要】著者(監督):三上延 (1)稀覯書ミステリとしておなじみ。さる理由により安楽椅子探偵となった栞子さんとその下僕が古書関連の事件を解決していく。そのたびに過去がちょっとずつ明かされていき…。 総じて読みやすく、各話のラストのヒキがうまい…
【概要】著者(監督):ブライアン・シンガー Queenのメインボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画。脚色があるとはいえ、Queenを深く知るきっかけになるのでは。サントラもうっかり買ってしまったぞ。 Queenのことはまあ聞いたことあるけど程度であっ…
【概要】著者(監督):松本修 タイトルに惑わされてはならぬ。柳田の『蝸牛考』でおなじみ「方言周圏論」をメイン武器に、女陰語・男根語の歩んだ歴史に分け入っていく。一言で言うと「饅頭」(と「珍宝」)をめぐる物語。 好奇心から読み進めていくと、著…
【概要】著者(監督):0号室 ノロケエッセイもといライフハック集。妻へのしゅきしゅきオーラが伝わって来るので読んでいるこっちが気恥ずかしい。スピッ〇よろしく、ささやかな喜びをつぶれるほど抱きしめることが成熟社会のライフハックなのかもしれない…
【概要】著者(監督):本庶佑 ノーベル賞でおなじみ。DNA関連の生物学・医学の発展のあらましと最近のトピックについて語る。エピジェネティクス、分子標的薬、遺伝子病、ゲノムコホートなどのテーマについて触れているが、それぞれの内容が散漫で有機的な…
【概要】著者(監督):藤沢周平 (上)米沢藩主上杉鷹山の一代記。藩内クーデターと火の車財政が印象的な上巻。のちの鷹山はいまだ雌伏のとき。人を動かす難しさ、改革を断行する難しさを感じられる。守旧派を排除し、いざ財政立て直しのお手並み拝見といっ…
【概要】著者(監督):ジェーン・スー 「片桐はいり村いちばんの美人」が女子性について諧謔と切なさを交え語る。演題は、結婚、容姿や若さ以外の価、値隙、仕事ゲーム、父娘関係、東京など多岐にわたる。深爪とかトイアンナ的なやつ。曰く「女は生涯、いち…
【概要】著者(監督):藤田嗣治 Foujitaの自伝的エッセイ。巴里楽しみすぎ、パパ甘すぎ。 黒田清輝、森鷗外、ピカソ、モディリアーニ、ルノアールなどの同時代人が平気で出てくるのがすごい。 「喜々として私の画を懐に抱いて帰って行く少年は、今も私の美…
【概要】著者(監督):山田詠美 ちょっとヘンで訳ありの男女の、ちょっと肉感的な短篇集。肉体労働者を主人公に、リアルな味覚・触覚が紙面から漂う。部屋のちょっとした小物や料理の描写が感覚を刺戟する。 「憐みに肉体が加わると恋になる」「たったひと…
【概要】著者:眉村卓病床の妻に贈った千夜一夜物語。そのうち19篇をエッセイとともに紹介する。ショートショートのクオリティはそうでもないが、エッセイの随所に鏤められた妻との想い出や所感に、著者の実直な人柄と円熟した夫婦の静かな情愛を見た。曰く…