Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

幸せなひとりぼっち

監督:ハンネス・ホルム

【概要】
ええ映画やった。目頭が熱くなった。

【詳細】
スウェーデン製。
頑ななおじいちゃんクレーマー・オーヴェ、店員にはウザがられ会社にはクビにされる。
半年前に妻にも先立たれていることから世を儚んで自殺未遂を5回程度繰り返すも、越してきたイランの隣人とご近所さんと猫に邪魔される運命。
そんな偏屈じいさんの悲喜劇。と見せかけてめっちゃハートウォーミング。

臨死の度(首吊り×2、猟銃×1、排気ガス×1、電車×1)、過去の旅に出て自身の来し方を思い返していくスタイル。彼の記憶は死と結びついている(母の死@教会、父の背中@田舎道、父の死@操車場、妻・ソーニャとの出会い@車中、妻の遭難@バス=胎児の死)。
運命に翻弄され心をひたすら硬化させていき、妻という精神安定剤を喪うに至って完全な死に損ないと化した彼が、隣人たちとの心の交流により心を軟化させ、本来の性格を取り戻し、生きる意味を見出していく。

白シャツとの最終決戦に向かうにつれ、昔と今のつながり、人と人とのつながりを強く意識させる内容になってくる。
自殺未遂は、彼に過去の記憶を思い起こさせ、
飛び込み自殺者救助は、記者の協力を促し、
行政や大きなもの(白シャツ)への憤りは、結果的に寝たきり友人・ルネを微笑ませた。
仕事の経験は、ご近所さんの家電修理に役立ち、
妻の教え子の訪問は、妻の人格を偲ばせ、
使われることのなかった子供用ベッドは、隣人の第三子に譲られた。
そんなわけで、〇LANNAD的な生きる町、人々の人生の足跡を感じさせる映画となっている。
オーヴェはこの世での役目を果たした。この町の住人達は、また新たな秩序を創っていくだろう。


<グッと来たシーン集>
  • オーヴェが父や妻の言葉を使うところ
  • オーヴェが妻の車イス用スロープを作っているところ
  • ルネがニヤッとしたところ
  • 死後、車中でソーニャと再会するとこ
  • イラン長女がカワイイところ