評価:B+
【評】
『窓辺』系の人々に向けて、いかに脚本を書くべきか、いかに生くべきかを語りかける。
脚本には書き手の世界観、生き方が反映されている。
そうしてみると、いったい試されているのは物語の主人公なのか、書き手なのか分らなくなってくる。
生徒や脚本家とのやりとりには学ぶところも多い。
これからの仕事術は「傾聴の姿勢」だ。
脚本を書く人には、物語を抽象化して逆バコ起こし、構造(中心軌道)を本歌取りして再構成、を勧められる。
Round 1<世界観の発見>
あなたが一番大切にしているものです。
言い方を変えれば、「あなたは何が許せて、何が許せないのか?」「何が譲れて、何を譲れないのか?」が分かるともいえます。
それこそが「あなたらしさ」であり、「ありのままのあなた」であり、「あなたの世界観」です。
脚本を良質のものに仕上げるためには、この「書き手の感情が動く」感覚がとても重要です。
それはあなたの内側から発せられた、あなたならではの「想い」であり、あなただからこそ芽生えた「意見」でもあるからです。
あなたがまずすべきは「あなたには、あなた独自の眼差しがある」こと、そして、その眼差しを以て「世界や他人を評価し、ジャッジしているという事実」を認めることです。
それこそがあなたの「世界観」なのだと気づくことです。
Round 2<行動する、認識が変わる、自分が変わる>
良質な脚本が辿る「主人公の変化や成長につながる構造」というのは、そのまま「現実の人間が辿る変化や成長の構造」とリンクするようにできているのです。
あなたが『殻を破る瞬間』を描く時も、主人公が何かの選択を迫られ、リスクと本心の望みを両天秤にかけた結果、どちらかを選択・決断し、「内的葛藤」を具体的な「相対化された行動」として起せるように意識してみてください。
そして、何より大切なのは「主人公を甘やかさない」こと。
迷い、決断し、行動に移させるためにも、彼らを限界まで追い込むようにしてください。
Round Ex.<共感する仕事術>
徹底的に相手に寄り添い、共感するよう努めること。
これこそが「傾聴」するうえでの最も重要な姿勢であり、考え方だと思います。
ぼくはスクリプトドクターの仕事にはカウンセリングの要素が絶対に必要だと考えるようになりました。