Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

正法眼蔵随聞記

編:懐奘 校訂:和辻哲郎
評価:A

【評】
主君父母も我に悟りを与ふべからず。妻子眷属も我が苦みを救ふべからず。財宝も我が生死輪廻を截断すべからず。世人も我をたすくべきにあらず。非器なりと云ひて修せずんば何の劫にか得道せんや。只須く万事を放下して一行に学道すべし。後時を存することなかれ。

E-JOがDO-GENの言葉をメモったもの。
非常にええ話が多い。ていうかもはやいい事しか言ってない。
日々「是を思へ是を思へ」。

只其の時に望んで能々思量して、眼前の人の為に一分の利益となるべき事をば、人のあしく思はんことをも顧みずなすべきなり。

其の人には知られざれども、人のために好き事をなし、乃至未来までも誰れが為とは思はざれども、人の為によからん事をしをきなんどするを誠との善人とは云ふなり。

心あながちに切なるもの、とげずと云ふことなきなり。

只其の人の徳を取りて非を取ることなかれ。

ひがごとなんどを、直に面てにあらはして非におとすべからず、方便を以て彼れのはらたつまじき様に云ふべきなり。

広く知識をも訪ひ、先人の言をも尋ぬべきなり。亦先人の言なりともかたく執する事なかれ。若し是もあしくもやあるらん、信ずるにつけてもと思て、次第にすぐれたる事あらば其れにつくべきなり。

忠言逆耳。いふこゝろは、我為に忠有べきことばは必ず耳に違するなり。違するとも強ひて随ひ行ぜば畢竟じて益有べきなり。

人の毀謗をきかず人の不可をいはざれば、よく我が事を成ずるなり。

学道の人、言ばを発せんとする時は、三度顧て自利利他の為に利あれば是を云ふべし。利なからん言語は止まるべし。かくのごときの事も一度にはゑがたし。心にかけて漸々に習ふべきなり。

問ふべきを問はず、云ふべきを云ずして過しなば、必ず我れが損なるべし。

他には、
仏像舎利を恭敬しすぎないこと、生活を質素にすること、
名聞我執を捨て去ること、世の無常迅速を常に思うこと、
陰徳を積むこと、外相を以て内徳の有無を判断せぬこと、など。
よく繰り返されるのは、只管打座の推奨と、文末の「能々思量すべきなり」。

猫児斬却、百尺竿頭如何進歩、劉邦ママ、などの有名な故事はもちろん、
先師全和尚、鹿打追いなどのお話も面白い。

「身をすつるとて、人はいかにも見よと思ひて、ゆへ無く身をわるくふるまひ、或は亦世を執せぬとて、雨にもぬれながら行きなんとするは、内外ともに無益なるを、世間の人はすなはち此らを、貴き人かな世を執せぬなんどゝ思へるなり」
のお言葉と「魔の眷属 」なる語も面白い。