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気候変動とエネルギー問題

気候変動とエネルギー問題 - CO2温暖化論争を超えて (中公新書)
気候変動とエネルギー問題 - CO2温暖化論争を超えて (中公新書) [新書]
著者:深井有
評価:B

“実は「CO2温暖化」については二〇〇九年に一つの事件が起こっていた。IPCC国連気候変動に関する政府間パネル)報告書に「科学的根拠」を提供してきた英国の研究所の内部資料が流出して、温暖化を示すデータの多くが意図的に作られたものであることが白日の下に曝されたのだ。いわゆるクライメート事件である”

気温、CO2濃度、宇宙線量など多方面にわたるデータを示し、いわゆる「温暖化問題」に秘められた虚偽を暴く。さらに、エネルギー問題についても触れている。二酸化炭素の名誉を取り戻せ!
以下著者のよる本書のまとめ。


①地球の平均気温は長期にわたって変動を繰り返してきた。中世温暖期(―10世紀)から小氷河期(17世紀―18世紀)を経て、現在は再び中世温暖期とほぼ同じ気温に戻った。近年とくに気温上昇が大きくなっている事実はなく、むしろ10年前から上昇は頭打ちになって低下に向かっている。

②気候変動と太陽活動の間に強い相関関係があることは古くから知られていたが、最近、これは太陽磁場が地表に到達する宇宙線量を左右しているためであるという認識が得られた。すなわち太陽磁場が弱くなると宇宙線量が増え、これが低雲層を作ることで気温を下げることになる。現在、太陽は長期にわたる活動期が終了したので、今後は活動が弱まるにつれて気温の低下が続くものと予測される。

③大気中の二酸化炭素がこれまでの気温変化の主因であったという科学的根拠は存在しない。したがって二酸化炭素の人為的排出の増加が将来に大きな気温上昇をもたらすという予測にも科学的根拠はない(現に二酸化炭素濃度が増加しているにも拘らず気温は上昇していない)。

④大気中の二酸化炭素は植物の生育を促すプラスの効果はあっても、人間の環境にとっていかなる意味でもマイナス要因にはならない。存在する二酸化炭素を減らすこと自体に意味はないのであって、二酸化炭素排出削減は炭素資源を子孫に残すためにこそ意味がある。

⑤炭素資源を今のペースで使い続けると、数十―100年の間に使い尽くされてしまう。これに代わるエネルギー源の開発は火急の問題である。

⑥当面、それに代わりうるのは原子力しか存在しないのだが、核分裂の連鎖反応には暴走の危険が内在するだけでなく、放射性廃棄物という大きな環境負荷を伴うので、長期にわたる使用は好ましくない。

⑦将来のエネルギーシステムとして理想的なのは、太陽光を一次エネルギーとし、電気または水素を二次エネルギー媒体とするシステムである。その実現にはエネルギー貯蔵技術が鍵を握っている。また、そのためには小規模分散型のエネルギー利用と、地球規模でのエネルギーシステムの構築を並行して進めなくてはならない。

⑧将来のエネルギー源としてもうひとつの理想はバイオマスエネルギーである。人類の未来を支えうるこの巨大な可能性を持つエネルギー源を利用するためには、植物の特性を踏まえた生き方を習得しなくてはならない。

⑨究極のエネルギー源、核融合については、磁場核融合から慣性核融合へと重心を移すべきである。

二酸化炭素削減のために資源を浪費することを即刻やめにして、より有効な利用に振り向けるべきである。