
海賊とよばれた男 上 [単行本]
著者:百田尚樹
評価:B+
この物語に登場する男たちは実在した。
百田尚樹のミリオンセラー二作目。ミリオンセラー一作目『永遠の0』の宮部もチラッと登場。
相変わらず読ませる文章だ。状況や用語を登場人物にうまいこと説明させている。
著者のメッセージが随所に織り込まれている。
主人公は出光佐三がモデルの国岡鐵三。
明治・大正・昭和の激動を駆け抜けた男の生き様にグッとくる。
朱夏・青春(上巻)・白秋・玄冬(下巻)の四部構成。まず夏から始めるのがニクい。上下巻のつなぎもニクい。
この作品を、伝記・歴史小説・経済小説のどれに分類したらよいのだろう?
タンクの底浚い、日章丸の航海、「七人の魔女」との戦い…
自分の理念を貫く鐵三、ひたむきに働く社員…
本気になったことがあったか? 働くこととはどういうことなのか? 会社の個性とは何なのか?
…考えさせられる点が多々あった。