
「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫) [文庫]
著者:百田尚樹
評価:B
フライ級だのフェザー級だの、ボクシングのボの字も知らない自分でも楽しめた。
ボクシング入門の書と考えても良いかもしれない。
白井、矢尾板、原田…綺羅星の如く現れては消えていくボクシング選手たちの名前を見ていると、昭和の熱が伝わってくるようだった。
引退選手のボクシングジム創設率には笑った。
“この本を読んで下さっている若い読者に繰り返して言いたいのだが、昔の世界チャンピオンと現在の世界チャンピオンンの価値は等価ではない。当時、世界チャンピオンは八階級に八人しかいなかった。世界でたったの八人である。現在は十七階級、しかも複数の団体がそれぞれチャンピオンを認定していて、主要四団体だけでも七十人前後のチャンピオンがいる。中には複数の団体に認められた統一チャンピオンもいるが、一方で暫定チャンピオンがいたりして、正式には何人の世界チャンピオンがいるのか、相当なマニアでもすぐには答えられない状態だ”
“六十年代のボクシングはまだ古代の格闘技の恐ろしさを引きずっていた。原田はそんな時代の覇者だった”
“ちなみに原田は二十七歳で引退するまで童貞だった”