【概要】
著者(監督):吉田裕
「実にさまざまな形での無残な死の集積だった」旧日本軍将兵の死を様々な角度から記述する。
虫歯や自傷行為、略奪、ヒロポン使用量の多さ、体格や栄養状態の悪化など、わかってはいたものの目も当てられない惨状。やっぱり近代のピークは日露戦争あたりなのか。同種の書籍でも心理的負荷の記述がやや珍しいか。兵士の手記や手紙がたびたび引用されており、数字に表しきれない実感がある(そもそも数字がガバガバなのしか残ってないんだけどね!)。
310万の日本人だけでなくアジア民衆の苦難も忘れていないのは好評価。
【詳細】
私刑や過荷重などのミクロな話もあれば、
旧政府の複雑で多元的な制度設計、兵力動員と労働力動員の競合といったマクロな話もある。
やや焦点が定まっていない感もあるが、まあ浅く広くね。