Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

辺獄のシュヴェスタ

辺獄のシュヴェスタ(1) (ビッグコミックス)

著者(監督):竹良 実

【概要】

ただ殺す。

無意味に、虫を殺すように。

奴らが母さんにしたように。

あいつらの命を 踏みにじってやる。


息が詰まるが面白い。言葉に重みのあるマンガは良い。
主人公の強メンタルに慄け。

【詳細】
<あらすぎるあらすじ>

中世暗黒修道院レジスタンスする5人衆。

仲間とアジトを探し、3年計画で総長暗殺を決意。

メイン武器はエラの観察眼と実行力、そして誰にも奪えない彼女たちの鋼の意志。

ゲロるかバレるかとヒヤヒヤしながら、痛めつけられながら、目的を果たし、ふたたび井戸でまみえる4人。

姿を消したエラはこれからも、人を踏みにじる奴らと闘い続ける。

<印象>

  • 一見画が粗く残忍だが、硬派で読ませる力がある。意志の強さ、私も持ちたいと強く思った。
  • 題材がシブい。食事や狩り、お勤めや労役など、細部に作り込みが感じられてよい。次回作にも期待。
  • エラ、基本的に鋼メンタルだが、腕を落とすときには人間らしい弱さも見せるのがよかった。
  • 5人共に活躍の場が与えられていて良かった。ヒルデはクラスチェンジしてたね、確実に。

<以下引用>

1-86

ただ殺す。

無意味に、虫を殺すように。

奴らが母さんにしたように。

あいつらの命を 踏みにじってやる。

 

1-201

黙っていたら心なんて、崖の上でも泥の中でも…

赤ん坊みたいに眠ってしまうもの。

だからこうして焼けた鉄を嚙ませてやる。

そうそう眠れやしないように。

そう すべては―――あの女を殺す日のため。

 

2-26

祈る者は眼を閉じる。

しかしその時、

考える者は目を開いているのだ。

 

2-52

エラは宝石だ。

賢さ 意志の強さ そして何より、考え続ける心の体力がある。

 

2-181

偽れ。欺け。

復讐心は鋼をも溶かす酸。

日毎に容れ物おのれを鍛える者だけが、

その水を運び事を成す。

 

3-34

虐げられてる人間のほうが、

虐げる人間よりもよほどタフなのよ。

 

3-185

たよりなく 何も照らせないまま、

ただ そこにある 星の光。

 

4-61

私たちは知っていく。

希望は、どんなに遠くを見渡しても見つからないこと。

なぜなら、それはいつも、

手の中から生まれるものだからということを。

 

4-186

神だか運命だか知らないけど、

そいつは私たちを殺し損ねた。

私に言わせりゃ腰抜けよ。

 

この世に あらゆる物理にも逆らい得るものがあるとすれば、

それはただひとつ、人間の意志である。

 

5-5

無言だけが、

沈黙だけがその夜、

私達の意志を守り抜く武器だった。

 

5-39

生きも凍るような夜、

星々の光はかそけく、

けれど確かに、雪の世界を照らし出している――

 

5-160

今ならわかる。理由なんてなかった。

人間は偶然生まれ、

生きた後に、意味ができる…

去年の仲間から引き継いだもの…

私は…確かにつないだわよ。

エラ…!!

 

6-59

知恵を、時間を、努力を、

薪にして私達は、命の火をつないで生きてきた。

神がいようといまいと 人を殺すことは、生きることと絶対的に矛盾する。

私はそれを知った。それでも、

無辜の人間を殺し、私はあの女を殺す。

 

6-112

望むところだ。

運命よ、お前に見せてやる。

私が私自身を燃やし尽くす炎の色を。

 

6-186

その残りはすべて、私の所業。

復讐とは受けた傷を返すこと。

ならばこれは復讐ではない。

私の意志で行使する、私自身の暴力だ。