著者(監督):L.グラットン A.スコット 訳:池村千秋
【概要】
100年の生が現実味を帯びてきた。流動性と融通性、そして不確定性を御しながら長規制を前向きに乗り切っていかなければならない。仕事やパートナー選び、余暇時間の使い方まで多岐にわたる内容で、とめどなく妄想の翼を広げられる。
【詳細】
ベストプラクティス平均寿命、引退年齢と貯蓄率の関係などを示したあと、ジャック(1945)、ジミー(1971)、ジェーン(1998)3世代をモデルに、それぞれの人生をロールモデル的に辿っていく。
これからの時代をほんわり想像し、生存戦略を練る。
自分の持てる資産を増強・メンテナンスしながら細く長く働き続けることがこれまでの二世代よりいっそう重要となっている。ステージ間に移行期を持ち、「変身資産」を重視していくこと。
自分がどういう人間なのか、そして何を大切にするのかが明確になれば、人生の多くのステージに一貫性をもたせられる。自分の過去と未来をつなぐ一貫したストーリーをもっている人は、いくつものステージを移行することにともなうリスクが小さい。
(現在の自分と未来の自分との「対話」)
マルチステージの人生を生きるためには、これまでの若者の特徴とされていた性質を生涯通して保ち続けなくてはならない。その要素とは、若さと柔軟性、遊びと即興、道の活動に前向きな姿勢である。
(パートナーとの)こうした関係を機能させるためには、長期にわたって相手と深く関わろうとする意思と、資源の分配の仕方を交渉して決めるためのスキルがひときわ必要になる。
昔のように特定のロールモデルに従っていればいい時代ではなくなり、ありうる自己像の選択肢が大きく広がる時代には、実験を通じて、なにが自分という人間と共鳴するのか、自分がなにを楽しく感じ、なにに価値を見いだすのか、何が自分という人間と共鳴するのかを知る必要があるからだ。
長寿化の議論では、所得や貯蓄の問題ばかりが注目を浴びているが、真の試練は、長い人生を支えるのに必要な無形の資産(自分についての知識と多様性に富んだ人的ネットワーク)をどのようにマネジメントするかという点なのだ。