Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

Quiet 内向型人間の時代

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力 

【概要】
著者(監督):スーザン・ケイン 訳:古草秀子

外向型の人間や浮薄な「コミュ力」を尊ぶ現代社会の風潮にドロップキック。心理学、脳科学、社会科学等の知見を動員し、内向型人間の持つ「静かな力」に目を向けるべきだと提言。内向型人間や基礎研究といったわかりにくいものにもっと目を向けるべきじゃないのかい。


【詳細】

  • 内向的な人の自己肯定用に。殻に閉じこもるなとか言われたり、人づきあいが苦手な自分に欠陥があるんじゃないかと思ったり、人と会うのは好きでもその後にどっと疲れるとか、そんな人は読んでみてもいいんじゃないかな。
  • パーリーピーポーアメリカでも内向型の割合が33~50%なんだから、東アジア人はその比じゃないと思う。社会的に求められる姿とのギャップにみんな悩んでいるんだなあ。アメリカ人でもいろんな人がいて、ディスカッション系講義は良心に反して内容のないことを話さないといけないとか、一人でいたいからトイレに籠るとか、パーティ前に話す内容をメモしておくとか、そんな涙ぐましいことも当然ながらあるみたい。
  • かのアメリカも最初から外向型万歳だったのではなく、都市化や近代化で外向型特質がもてはやされるようになった歴史がある。
  • どんな人も内向性と外向性を併せ持っていて、そのどちらが強く顕れるかで便宜的に内向的/外向的を分けているだけ。それはスペクトラム的で微妙なもの。人によって心地よいと感じる刺激のレベルの違いがあるに過ぎない。※文献の出典も教えてね。
  • その性質は幼少時からあんまり変えられないので、無理に変えようとすると病む。いずれかが淘汰されていない以上、両者に良いも悪いもないはず。ただ残念ながら社会的には外向型が是とされているので多かれ少なかれ迎合が必要。少年期・青年期は自身の本質と求められる性質とのギャップに苦しむことが多いと思われる。社交用の仮面がかぶれそうならかぶる練習を。ある程度は慣れで何とかなるが、やりすぎると病む。
  • 何といわれても、心の内では内向型人間の持つ力を、自分を認めてあげることが善く生きるために重要。心の動きを見つめ、感情を抑制する術を知っている人間は強い。北風ではなく太陽のようなソフトパワーで少人数戦闘・持久戦で戦果を上げろ。生き馬の眼を抜くような高速社会だからこそ、立ち止まって考えられる内向型の強みが生きる。むしろ宗教的指導者や学者、作家・芸術家には好適な性質ではないのか。孤独なくして何の創造か。現代の仏陀たらん。
  • 外向リーダーと内向メンバー、内向リーダーと外向メンバーの組み合わせが有効と言われるように、内向型と外向型がお互いを補強するような関係で共生していこうじゃないか。
  • オープンオフィスと外向型人間を育てようとする教育にもdis。
  • 内向的人間の生きづらさと希望に関しては、そのうち何か書いてみたい。

 

 

<終章>

人生の秘訣は、適正な明かりのなかに自分を置くことだ。ハリウッドのスポットライトがふさわしい人もいれば、机に置いたスタンドがふさわしい人もいる。持続力、集中力、洞察力、繊細さといった、自分に自然に備わっている力を発揮して、愛着を感じられ自分が大切だと思う仕事をしよう。問題を解き、芸術作品を創作し、深く考えよう。

世の中にどのように貢献したいかを考え、それを実践しよう。そのために、人前で話したり人脈を築いたりなど苦手なことをする必要があれば、なにはともあれやってみよう。ただし、それが自分にとって難しいことだと認めて、事前に十分な準備を積み、なし遂げたら自分自身に報いてやるのだ。(中略)

自由な時間は、自分がどうあるべきかではなく、自分がなにをしたいかにもとづいて過ごそう。大晦日の晩を静かに自宅で過ごすのが幸せだと感じるのならば、そうすればいい。委員会の集まりをサボろう。道で知っている人に会うたびによけいな世間話で時間をつぶされるのを避けよう。読書しよう。料理しよう。走ろう。物語を書こう。自分で決めた回数だけ社交の場に出たら、あとは言い訳に罪の意識を感じないで断る勇気を持とう。(中略)

あなたが教師だろうと管理者だろうと、外見は真実ではない、と心に刻んでおこう。外向型のようにふるまう内向型は、エネルギーや能力を消耗し、健康を損ねる場合さえある。また、たとえ超然としてうちとけない雰囲気を漂わせていても、彼らの内心は豊かで起伏に満ちている。だが、落ち着いた表情で静かに話す人と出会ったら、その人は心のなかで方程式を解いているか、ソネットを創作しているか、帽子をデザインしているのかもしれないのだと考えてみよう。すなわち、その人は静かなパワーを操っているのかもしれないのだ。

 

 

<動画[TED]>

www.ted.com