【概要】
著者(監督):ふろむだ
心理学的知見を対話篇+ポンチ絵でかみ砕いて紹介し、人間がいかに認知バイアスから逃れることが難しいかを解説する。その過程で「錯覚資産」という概念を導入し、それとの付き合い方を伝授する。認知のパラダイムシフトが起こることうけあい。そう、人生は運と実力と錯覚資産で決まるのである。
【詳細】
本書は、単なる認知心理学の知識の寄せ集めではない。
人生の重要な選択や、組織内の人間関係・利害関係・意思決定において、さまざまな認知バイアスが、具体的にどのような意味を持つかを抉り出し、それを駆使して人生を切り開く方法を書いた、ビジネス書のようであり、自己啓発書のようであり、成功法のようであり、ライフハックのようであるが、そのどれでもない「実用書」だ。
<人間の陥る認知バイアスの例> ※詳細はググってね。
- ハロー効果
- 少数の法則
- 運を実力だと錯覚する
- 後知恵バイアス
- 利用可能性ヒューリスティック
- デフォルト値バイアス
- 認知的不協和の理論
- 感情ヒューリスティック
- 置き換え
- 一貫して偏ったストーリーを真実だと思いこむ
<脳の3つの過剰性>
- 一貫性
- 原因
- 結論
こういった脳の仕様に気をつけていれば、
①自分の思考の錯覚に気づいて修正しやすくなるし、
②他人の思考の錯覚を利用して、自分に有利に物事を進めることができる
<勘違いさせる力>
認知バイアスの中でも「ハロー効果」に由来する「錯覚資産」にページを割く。
錯覚資産とは、「他人が自分に対して持つ、自分にとって都合のいい思考の錯覚」のことである。
思考の錯覚は、認知バイアスによって引き起こされる。
重要なのは、人間には、「実力」という要因を、プラス方向であれ、マイナス方向であれ、「大幅に過大評価」してしまう認知バイアスがあるということだ。
実際の成功・失敗は、あなたが思っているよりも、はるかに、「実力以外の要因」で決まっている。
具体的には、タイトルにもある通り、運と「錯覚資産」のことね。
詳細は本書に譲るが、この「錯覚資産」は成長ループのハブである点が重要。
<どうすんねん>
というわけで、
- 「「自分には、本当に才能があるのか?」と悩むことに時間を使うことをやめ」、
- 「いろんなことに小さく賭ける。ハロー効果が得られそうな仕事や役割に手を上げ、いろいろチャレンジしてみる。チャレンジして成功するかどうかなんて、運次第だから、たくさんチャレンジするしかない」。
「実力がついてから…」「もうちょっと練習してから…」じゃダメなんだなあ。瓢箪から駒じゃないけど、少しばかりハッタリでも背伸びしてやってみるべきなんだろうな。