著者(監督):野矢茂樹
【概要】
接続詞、文章の論理構造、批判的視点に注意して実際に問題を解き、筋トレならぬ論トレを敢行する。巷のロジシン・クリシン本を101冊読むよりもずっと効果がある。本書を読み始めるや否や、接続詞の用法や論理の構造が気になってしょうがなくなる筈。
【詳細】
<はじめに>
1問やるだけでも、1問やった分だけの力がつく。
全問やりとおせば、必ずや全問やりとおした分だけの力がつく。
ともかく、力はつく。保証する。
解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられない。
ただ、実技あるのみ。
さあ、101問用意した。論理トレーニング101題、大行進である。
始めよう。
プーさんや浦島太郎、各種新書・文庫、果ては校長先生のスピーチまで、筆写が渉猟してきた(論証が)アヤしい文章がズラリ。
まずは接続詞に敏感になるところからはじめよう。
<接続詞の役割>
- 解説:解説、例示
- 根拠:理由、帰結
- 付加
- 転換
- (補足)
<注意点>
(1)主張の方向を見定める。
(2)主張の軽重を見積もる。
他にも、
議論ユニットや論証図の脳内(紙上でも)作成、主張提示文の検索、批判とは立論の論証部に対する反論であることなど、他にも論理力向上の秘策を授けてくれる。
でも…
論理トレーニングの成果は、親、兄弟、友人、恋人、そしてとりわけ配偶者に対して無分別に発揮してはいけない。(中略)
刃を研ぎ澄まし、懐中に忍ばせておく。そして、ここぞというときに抜くのである。