評価:B
【評】
努力する才能も努力で勝ち取れるのか、それとも才能で決まっているのか、という遺伝vs.環境の人類永遠のテーマに一つの回答を与えた。
曰く、
私たちが人生のマラソンでなにを成し遂げられるかは、まさに「やり抜く力」――長期的な目標に向けた「情熱」と「粘り強さ」――にかかっているからだ。やたらと「才能」にこだわっていると、この単純な真実を見失ってしまう。THIS IS GRIT.
「やり抜く力」を自分自身で「内側から伸ばす」方法。具体的には、「興味を掘り下げる」「自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする練習を習慣化する」「自分の取り組んでいることが、自分よりも大きな目的ととつながっていることを意識する」「絶望的な状況でも希望を持つことを学ぶ」などの方法がある。人格形成の自己強化スパイラルに乗れたらしめたもの。
「やり抜く力」を発揮するための視点を取り入れるには、「人間は何でもやればうまくなる」「人は成長する」という認識が欠かせない。私たちは、たとえ人生で打ちのめされても、這い上がれるだけの力を持っていたいと思っている。
以上です。
要はなにかやり遂げたかったら「なにくそォ!!!」で喰らいつけよ、という話。
No pain, no gain. 結局コツコツ山を登っていくしかない。王道にして茨の道でもある。
あ、動画もあるよ。
ここで半生語り入る。
学生のころ、青年期の教育や可能性に興味を持ったことから始まり、20代になると自分の人生の「目的」が見え始めた。30代になって経験と知識を蓄えたうえで、ようやく自分の一生を捧げたい、もっとも重要な目的が明確になった。それは、心理科学によって子どもたちのしなやかな成長を手助けすることだ。
GRIT保持者のコーディは、いいました。
「心から相手のことを思って、しっかりと見守っていれば、ちゃんとそれが伝わって、よい変化が起こります。其子の人生に今なにが起きているのか、理解しようと努めてください。そして一緒に乗り越えよう、と手を差し伸べてください。それこそ僕が身をもって経験したことです。そのおかげで、すべてが変わったのです」
陸士、スポーツ選手、偉人、スペリングboys & girls(、そしてパパ)にインタビューして、GRITとは何なのかを探る。
開発したグリット・スケールによるアンケート調査結果や、心理科学・脳科学の研究成果を矢継ぎ早に示し、上記自説を印象付ける。
アンケートに回答してもらえないと研究できないため、謝礼を奮発している模様($2,500くらい)。
「社会的相乗効果」「成熟の原則」「対応原則」「学習性勤勉性」などカッコよさげな用語や、ニーチェの体育会系の言葉もぜひ憶えておきたい。
所得とGRITスコアの正の相関を見ていると悲しくなった。