ボート部で汗を流した話、ストリップ劇場にお世話になった話など、体験を交えた昭和史には時代の息吹が生暖かく流れている。
昭和史を見ていくと、万事に情けなくなるばかりなんですね。どうも昭和の日本人は、とくに十年代の日本人は、世界そして日本の動きがシカと見えていなかったのじゃないか。そう思わざるをえない。つまり時代の渦中にいる人間というものは、まったく時代の実像を理解できていないのではないか、という嘆きでもあるのです。
それにしてもなんとアホな戦争をしたものか。この長い授業の最後には、この一語があるというほかはないのです。ほかの結論はありません。
日本人というのは偉いといえば偉いし、愚直といえば愚直なんですが、だからといって全面ストップするというわけにはいかないのですね。走り出したら一所懸命に走っていなきゃいけない。
我々は、
変わり続ける必要がある。
日々新しく、日々心を豊かに。
日々試し、日々振り返り。
歴史に学び、惨禍を繰り返さない。
今の日本に必要なのは何か?
①無私になること
②小さな箱から出る勇気
③大局観
④精神的自立
⑤悠然たる風格
とのこと。
歴史とはなんと巨大で多様で、面白い物語であろうかとつくづく思う。人間の英知や愚昧、勇気と卑劣、善意と野心のすべてが書き込まれている。歴史とは何かを考えることは、つまり、人間学に到達するのである。