Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

『華厳経』『楞伽経』

著者:中村元
評価:A

【評】
ハジメが『華厳経』と『楞伽経』のダイジェスト版をお送りする。

インドからシルクロード、コータンそれから中国、朝鮮半島、日本と、さらに南方のジャワにいたるまで、全アジアがこの『華厳経』の描く壮大なスケールぼ情景を思い浮かべて、精神を共にしていた、ということができるのです。全アジアが同じ精神的理想を掲げて鼓動していたのです。

華厳経
夢幻に微小なるもののうちに無限に大きなものが存在している、そうして一切の事物は相互に連関しあって成立している、と説くのが『華厳経』の究極の趣旨だと言われています。

世界海の塵の数の因縁が具わるが故に、一切の世界海は生ずるなり。

一つの毛孔の中に、無量の仏刹は、荘厳清浄にして、曠然として安住す。

諸仏は悉く、<一切は心より転ず>と了知したもう。若し能く是の如く解らば、彼の人は真の仏を見たてまつらん。

 
楞伽経。

説かれている思想内容は種々雑多でまとめ難いのですが、唯識説をたぶんに取り入れた如来蔵思想であるということがいえるでしょう。

如来蔵は本性清浄なり。常恒にして断ぜず変易あることなく、三十二相を具し、一切衆生の身中にありて、蘊界処の垢衣に纏われ、貪恚痴等の妄分別の垢衣の汚染する所となること、無価の宝が垢衣の中にあるがごとし』

士夫も、相続も、五蘊も、衆縁および微塵も、勝も、自在も、作者も、これただ心の分別のみ。