評価:B+
『デフレの正体』の藻谷が帰って来た!
NHK広島取材班夜久・井上とともに、マネー資本主義の「マッチョな経済」を少しでも切り崩し、
「かたぎの経済」を取り戻すための「里山資本主義」の要諦を示す。
これからの社会・経済の在り方、そして働き方を揺さぶる本。
われわれの考える「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、お金に依存しないサブシステムも構築しておこうというものだ。
中国山地・オーストリア村々に「懐かしい未来」を見た著者ら。
これは農村社会への逆行ではない。最先端技術と里山資本主義の融合こそが人類を救うのだ。
爽やかな風の吹き抜ける未来は、もう、一度は忘れ去られた里山の麓から始まっている。
都市圏ではマッチョに、田舎ではかたぎに。マネー資本主義に里山資本主義のくさびを打ち込もう。
林業・農業に今一度目を向けて、バイオマス(木質ペレット等)・太陽光発電、スマートグリッドを駆使して持続可能な社会を田舎から実現しよう。
日本では、国にできないことを先に地方からやってしまうことが、コトを動かす秘訣なのだ。
そうそう、野暮なツッコミを一つ。
p. 159中ほどに
“ほどよい甘さにほっこり。流れる時間はゆったり。子どもも大人もみんなが笑顔になれる空間だ”
という記述があるが、自分はこれを以下のように書き直したい。
“ほどよい甘さにほっこり。流れる時間はゆったり。子どもも大人もみんなにっこり”
どうだろうか? 非常に雅になったように思われないだろうか。
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